最後の最後で勝利が手から滑り落ちたハミルトン、フェルスタッペンの戴冠を称える「マックスと彼のチームに祝福を!」

7度のF1世界王者であるルイス・ハミルトン(メルセデス)は、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が「最も過酷なシーズン」となった2021年にチャンピオンを獲得したことを褒め称えた。

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 ルイス・ハミルトン(メルセデス)は、F1最終戦アブダビGPでマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に敗れた後、「最も過酷なシーズン」でタイトルを手にしたそのライバルを褒め称えた。

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 アブダビGPでの最終決戦は、期待に違わず今シーズンを象徴するかのようなレースが展開された。

 ハミルトンは抜群のスタートでポールシッターのフェルスタッペンをパス。オープニングラップのターン6でフェルスタッペンが首位奪還を目指しイン側からオーバーテイクを仕掛けるも、フェルスタッペンはハミルトンをランオフエリアに押し出してしまう。ハミルトンはそのままポジションを守り、レッドブル陣営はポジションを入れ替えるようにレースコントロールに訴えたが、これは棄却されレースは続行された。

 ソフトタイヤでスタートしたフェルスタッペンとしては、ミディアムタイヤを履くハミルトンに対してレース序盤で差を付けることがチャンピオンへの唯一の道だと思われていたが、いきなり首位を奪われたことで苦しい立場に立たされた。さらに残酷にも、フェルスタッペンのソフトタイヤはデグラデーションが進行。ミディアムタイヤを履くハミルトンのペースは圧倒的で、徐々にフェルスタッペンを突き放していった。

 1回目のピットストップを終えても差は縮まらず、打つ手なしと思われたレッドブルだったが、アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)のマシンストップを起因とするバーチャル・セーフティカー(VSC)出動のタイミングで、フェルスタッペンをピットに呼び込んだ。新品のハードタイヤを履くことでハミルトンに追いつき、そしてオーバーテイクを狙うという作戦に出たのだ。

 フェルスタッペンは当初17秒に開いた差を徐々に縮めていくも、次第に差は縮まらなくなっていき、ハミルトンの8度目の戴冠が現実味を帯びだした。

 しかし、ここで急展開。ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)がクラッシュし、セーフティカー出動というメルセデス陣営が最も恐れていたシナリオが現実のモノとなったのだ。

 セーフティカー出動とともにフェルスタッペンはピットでソフトタイヤに交換したのに対し、メルセデスはポジションを失うことを避けたためにハミルトンをピットへは呼び込めなかった。フェルスタッペンはポジションを失うことなく新しいタイヤを履き、ハミルトンの真後ろに迫った。ハミルトンはかなり使い古したハードタイヤ……それまでの彼の努力は、虚しくも崩れ去った。

 セーフティカーは残り1周という時点でピットに戻り、レース再開。わずか1周限りの超スプリント対決となった。ハミルトンは懸命に抵抗するものの、タイヤのパフォーマンス差ばかりはどうしようもなくターン5で首位陥落。フェルスタッペンはそのままトップチェッカーを受け、自身初のF1世界王者に輝いた。

 今季の激しいタイトル争いの中で、コース上で幾度となく接触や物議を醸すインシデントを互いに引き起こしてきたハミルトンとフェルスタッペンだが、レース後のパルクフェルメで互いの健闘を讃え合った。そしてハミルトンは2021年のF1を「最も過酷なシーズン」と称し、フェルスタッペンを祝福した。

「最初に、マックスと彼のチームにおめでとうと言いたい」とハミルトンは語る。

「今年、僕のチームも素晴らしい仕事をやってのけたと思う。ファクトリーにいるみんな、チームにいるすべての人たち、そしてここにいる人たちが、この1年一生懸命に頑張ってくれた」

「最も過酷なシーズンだったし、僕は彼らを誇りに思っている。だから、彼らと旅を共にすることができて光栄だ」

「僕らはシーズン終盤全力を出した。全身全霊を尽くし、絶対に諦めなかった。それが一番大事なことなんだ」

 ハミルトンは最終戦までの3戦を3連勝。シーズン中盤で大きなリードを築いていたフェルスタッペンとの差をゼロにまで縮めたことは「いい感じだった」と振り返った。

「ああ、もちろんだ。この2〜3ヵ月、特に最後の方はマシンの調子が良くて……最高だったね」

「正直に言うと、まだ(新型コロナウイルスの)パンデミックは続いているから、みんなが安全に家族とクリスマスを過ごせることを祈っているよ。来年、どうなるか見てみよう」

 
 
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