ハミルトン、批判受けるメルセデスの新スポンサーについて「チームの契約だ」と距離置く
メルセデスF1はキングスパンとスポンサー契約を結んだことで批判を浴びている。ドライバーのルイス・ハミルトンは自身にとってもこれがニュースだったと話しており、トト・ウルフ代表が解決すると確信していると語った。
Lewis Hamilton, Mercedes
Mark Sutton / Motorsport Images
メルセデスF1は第21戦サウジアラビアGP開幕前に、キングスパンとのスポンサー契約を発表。しかし、2017年にロンドン西部で発生したグレンフェル・タワーの大規模火災においてキングスパンの断熱材が使用されており、被害拡大の要因となったことが疑われているため、メルセデスとのスポンサー契約は被害者・遺族団体などから強く批判を受けることになった。
生存者や遺族で構成される団体のグレンフェル・ユナイテッドは、メルセデスF1のトト・ウルフ代表代表に公開書簡を送付。キングスパンとのスポンサー契約は”本当に衝撃的なモノ”とし、契約を見直すように促した。
メルセデスのドライバーであり、7度のF1王者であるルイス・ハミルトンはこのスポンサー契約が明るみに出た際、人権派とも言える彼のパーソナリティもあって、この問題に関連付けられていた人物のひとりだった。
ハミルトンは「公の場で話さなければならないと感じるモノではない」としながらも、衣料品ブランドのトミーヒルフィガーを除いて「チームとスポンサーの契約とは関係がない」と説明している。
「トミー(ヒルフィガー)は僕がチームに持ち込んだ唯一のスポンサーだ」と、ハミルトンは言う。
「今週起きたその事を耳にしたときは、僕としてもニュースだったんだ。僕もあの事故によって影響を受けた被害者の皆さんのことは注意深く追っていた」
「周囲のコミュニティや、支援している沢山の人たちから、すごい量の批判の声が上がっているのも分かっている。たださっきも言ったように、これは僕が関わってきたものじゃないんだ」
「トトが解決しようとしていることは知っている。そして残念だけどクルマにロゴが貼られていることで、僕の名前も関連付けられている。それがこのままになるかどうかは、今後分かってくるだろう」
キングスパンとメルセデスのスポンサー契約を巡っては、英国の住宅・コミュニティ・地方自治大臣であるマイケル・ゴーブ議員も反応しており、メルセデスにスポンサー契約の再考を要求。
さらにゴーブ議員はF1のようなスポーツにおける広告やスポンサーシップに対する規制管理を変更する可能性があると言及している。
「72人もの命を奪った事故における原因と疑われている企業が、何百万人もの聴衆に対して広告を出すことを可能とする法制度を、議会が支持するかどうかについては非常に疑問があるだろうと私は認識している」
「近年のメルセデス、そしてサー・ルイス・ハミルトンの業績は、我々全員が誇りに思っている、イギリスのサクセスストーリーを表したものだ。私はメルセデス、そしてF1が成し遂げてきた全ての素晴らしい仕事を損なう可能性のある、この商業パートナーシップが再考されることを願っている」
なおゴーブ議員はF1のステファノ・ドメニカリCEOやデジタル・文化・メディア・スポーツ担当大臣のナディン・ドリーズ議員にも、書簡を送付していると明かしている。
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