優勝できたのは”奇跡”。エンジンに危機的問題を抱えていたハミルトン

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優勝できたのは”奇跡”。エンジンに危機的問題を抱えていたハミルトン
Adam Cooper
執筆: Adam Cooper
2018/11/13 2:59

メルセデスは、F1ブラジルGPで、ルイス・ハミルトンのエンジンがいつ壊れるかという恐怖に苛まれていた。

 F1ブラジルGPを勝利したのは、メルセデスのルイス・ハミルトンだった。ただ、完勝だったわけではない。もしレッドブルのマックス・フェルスタッペンが、フォースインディアのエステバン・オコンとの”悪名高い”事件に遭遇しなければ、ハミルトンが勝つことはなかっただろう。

 しかしそれだけではない。ハミルトンはエンジンに問題を抱えていたという。

 ハミルトンのエンジンは排気に問題を抱えており、パワーユニットの温度が上がりすぎていたのだという。28周目、チームのパワーユニットエンジニアは、ハミルトンにリタイアの危機が”差し迫っている”と報告している。

 当時のハミルトンは、早々にピットストップを行ったことで失ったリードを取り戻そうとしていた。

「サーキットにもエンジン担当者が来ている。そして、ファクトリーでもスタッフがバックアップしているんだ」

 チーム代表のトト・ウルフは、そう説明する。

「私は常に、約10のチャンネルと交信している。ミーティングのチャンネルで聞いたのは、『ルイス・ハミルトンのパワーユニットは、トラブルの危機が差し迫っている。おそらく次の周に壊れるだろう』ということだった」

「そして、ボリュームを上げてこう言ったんだ。『なんだって?』とね。そして彼らは繰り返し言うんだ。『パワーユニットに大きな問題があります。次の周に壊れるでしょう』と」

「しかし、次の周で壊れることはなかった。そして私は言ったんだ。『時間がある時でいいが、何が起きているのか教えてくれ』と」

「そしてスタッフは『我々のエキゾーストには問題があります。すべての部分で、温度の限界を超えています』と説明した」

「彼らは、出力などすべてのものを抑えることで、温度を下げようとした。そして1000度を下回り、980度まで下がった。それでもまだ高すぎるんだ。とても恐ろしい瞬間だった」

 ウルフ代表は、レースを完走できたことに驚いたと認める。

「壊れてしまったハードウエアを直して完走する方法は、神しか知らない。チェッカーフラッグを受けるまで、悪夢のようなレースだった。大騒ぎだったんだ」

 ハミルトンも、この問題を認識していたという。そしてパワーユニットを守る為に設定を変更するよう、エンジニアから忙しく指示を受けていたと語る。

「僕はエンジンの調子が悪いのを感じることができた」

 そうハミルトンは語る。

「僕はこのエンジンを最初から走らせてきた。だから、知っておくべきことはすべて知っている。それがどう感じるかということもね。僕が知っているエンジンに関するすべてのことは、手の裏に書いてあるようなもんだ」

「最初はOKだった。でも問題を感じ始めた時、僕はただ、少しだけスロットルを閉じるのを早くして、惰性で走る距離を増やすことに集中したんだ。フルスロットルの負荷を少なくするために。仕事をさせながらも、できるだけエンジンの負荷を減らそうとしたんだ」

「僕の心拍数は、190を超えていたに違いない。最後の10周は、レッドブルを抑えるために、本当に心拍数が上がっていたんだ。すでにタイヤに苦労していたし、彼らがDRS圏内に入ることも避けなければならなかった」

 問題が起きたエンジンは最終戦アブダビGPで使われるものなのか、そしてそれには懸念があるかと尋ねられたハミルトンは、次のように語った。

「そのことは考えてもいなかった。よく分からないけど、多分使うだろうね」

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シリーズ F1
イベント ブラジルGP
ドライバー ルイス ハミルトン 発売中
チーム メルセデス 発売中
執筆者 Adam Cooper