ハミルトン&メルセデス、アブダビGP最終周の衝撃的敗戦後、沈黙を続ける……”上訴”は必至?
メルセデスのルイス・ハミルトンとチームの首脳陣は、F1アブダビGPの衝撃的な敗戦の後、沈黙を守り続けている……反射的な1回の無線交信と公式インタビューは別として……。
Lewis Hamilton, Mercedes, 2nd position, arrives in Parc Ferme
Steve Etherington / Motorsport Images
F1最終戦アブダビGPの最終ラップでレッドブルのマックス・フェルスタッペンにオーバーテイクされ、2021年のドライバーズタイトルを取り逃がすことになったメルセデスのルイス・ハミルトンは、レース後のジェンソン・バトンによるインタビュー以外は沈黙を守っている。チームも同様に沈黙を守っており、棄却された今回のレースに対する抗議を上訴する準備を進めているように見える。
アブダビGPを支配していたのは、間違いなくハミルトンだった。ハミルトンはスタートでフェルスタッペンの前に出るとその後はリードを広げ、もう1台のレッドブルであるセルジオ・ペレスの”ディフェンス”に遭い一度はリードがほぼゼロになるシーンもあったが、その後は再びリードを拡大し、勝利&チャンピオン獲得は間違いないと思われた。
しかしレース終盤に流れは一変する。ウイリアムズのニコラス・ラティフィがクラッシュしたことによりセーフティカーが出動。これによりリードが再びなくなっただけでなく、フェルスタッペンはタイヤを履き替えてハミルトンの背後に迫った。ハミルトンはタイヤを交換することができず、レースが再開された最終ラップで必死の抵抗を見せたが、フェルスタッペンが首位に立ち、そのままチェッカー。最終ラップの大逆転で、フェルスタッペンが自身初のタイトルを決めた。
ハミルトンはフェルスタッペンにオーバーテイクされた後、タイトル獲得を逃したことに気付き「これは操作された結果だ」と無線で叫んだ。この無線交信は、国際映像に乗ることはなかったが、F1 TVでは配信された。
ただそれ以外に、チームとハミルトンの間での無線交信はなく、フィニッシュラインを越えた後にピーター・ボニントンが「ルイス、言葉を失ったよ」と一言言っただけで、ハミルトンはこれに返答することもなかった。
パルクフェルメに戻ったハミルトンは、しばらくコクピットに無言のまま座り続けた。これは、アゼルバイジャンGPの最終ラップにミスを犯し、勝利を逃した時とよく似た行動だった。
ハミルトンはアブダビGPのレース後にバトンの公式インタビューに応じ、フェルスタッペンを賞賛するコメントを発した。しかしその後に予定されていたFIAの公式記者会見とTVインタビューには欠席している。
チーム代表のトト・ウルフも、メルセデスの抗議に関する最終決定が出された後もメディアと話すことを拒否。サーキットから離れる時も、motorsport.comの問いかけに対して「何も言いたくない」と語っただけだった。
またチームの戦略担当エンジニアであるジェームス・ボウルズやトラックサイド・エンジニアリングディレクターであるアンドリュー・ショブリンも、通常行なうような会見を拒否している。
メルセデスはセーフティカー中にフェルスタッペンが一度ハミルトンの前に出ていること、そしてセーフティカーラン解除時の手順がレギュレーションに違反しているとして抗議を提出したが、レーススチュワードはこれを却下。この決定を不服としたメルセデスは、上訴する意向を示している。実際に上訴するまでには96時間の猶予が与えられているが、このメルセデスの”沈黙”の状態は、検討が続いている間は続く可能性が高いとみられる。
ただ今週の木曜日にはFIAの年間表彰式がパリで行なわれる予定となっており、ハミルトンはドライバーズランキング2位として、そしてウルフ代表はチャンピオンコンストラクターの代表として出席する予定となっている。そこでの発言内容に、注目が集まる。
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