ハミルトン、FIAからアクセサリー着用禁止規定2レース免除……”簡単に外れないピアス”も脱着へ
ルイス・ハミルトンは、FIAのメディカルスタッフとの協議の結果、簡単に取り外す事ができないアクセサリー類に関して、2レース分のアクセサリー着用禁止ルール免除を受けたようだ。
写真:: Carl Bingham / Motorsport Images
メルセデスのルイス・ハミルトンは、簡単に取り外すことのできないアクセサリーに関しては、2レースの間はアクセサリー着用禁止ルール適用を免除されるようだ。
F1オーストラリアGPに向け、FIAは走行セッションでマシンに乗る際は、ジュエリーやピアスなどのアクセサリー類の着用が禁止されているとF1ドライバーに注意喚起。さらに認可を得たアンダーウェアやソックスなどを着用しているかもチェックしていくとF1チームとドライバーに通達していた。
そして第5戦マイアミGPを前にさらなる厳格化が進み、車検作業の一部として、アクセサリーやウエアもチェック項目に加わることとなった。
しかし、ノーズピアスなど頻繁に外すことを前提としていないジュエリーを少なくともふたつ身につけているハミルトンは、この取り組みに異議を唱えており、金曜日のFIA記者会見に3つの時計、8つの指輪、ブレスレット、ネックレスを身に着けて登場。オフィシャルが「こんな些細なこと」に注目するのは「不必要だ」と主張した。
「ほとんど一歩後退したようなモノだ」とハミルトンは言う。
「スポーツとしての歩みを考えるなら、もっと重要な問題や原因に目を向けるべきだろう」
ハミルトンが着用している簡単に外れないジュエリーはプラチナ製で、これまでMRIなどの検査で問題になることはなかったという。
The tattoos and jewellery of Lewis Hamilton, Mercedes-AMG
Photo by: Glenn Dunbar / Motorsport Images
FIAとの友好的な解決を望んでいるハミルトンだが、対立した場合はレースに出ず身を引くのかと尋ねられると、皮肉たっぷりにこう答えていた。
「もし彼らが僕を止めるなら、そうすればいい。代わりのドライバーならいるんだから」
motorsport.comの調べによると、ハミルトンは記者会見後にFIAの医療委員会のオフィシャルと会い、この件について話し合いを行なった。その中で、今回の措置は個人的な表現の自由を封じ込めることが目的ではなく、単純な安全上の理由によるものだとハミルトンに対して説明が行なわれたということが分かっている。
ハミルトンは、マイアミGPではできる限りのアクセサリー類を外してマシンに乗り込むことに同意し、簡単に取り外せないモノに関しては2戦後のモナコGPまで免除されることとなったようだ。その免除されている間に取り外しが容易なモノに移行するように、ということだろう。
ハミルトンのこうした見解は、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)やピエール・ガスリー(アルファタウリ)など多くのF1ドライバーが支持している。一見、アクセサリー着用を取り締まるこの動きはハミルトンを”標的”にしたようにも思えるが、信仰上の理由でのブレスレットや結婚指輪を肌見放さず着用したいと考えるドライバーも多い。
ガスリーは、彼が付ける”お守り”は「マシンを運転している時にないと落ち着かない」として「これは少し個人的なことだと思う。僕らにはそれを感じる自由があるはずだ」と語っている。
アクセサリー類とアンダーウェアの取り締まり強化は、2020年バーレーンGPでロマン・グロージャンに発生した炎上事故がキッカケとなっている。
耐火服の下にアクセサリーを身につけることで「金属物が皮膚と接触し、熱伝達の保護が低下するため、火災発生時に火傷のリスクを高める可能性がある」上、「医療作業の妨げになる」と取り締まりを進めるF1レースディレクターのニールス・ウィティヒはその理由を説明している。
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