ハミルトンの成功はマシンのおかげ……7度目タイトルでこの論調に終止符が打たれる?
かつてメルセデスで技術責任者を務めたパディ・ロウ曰く、ルイス・ハミルトンは7度目のタイトルを獲得したことで、その成功がマシンによるものではなくドライビングの才能によるものであることを証明したという。
写真:: Charles Coates / Motorsport Images
メルセデスのルイス・ハミルトンは、F1トルコGPで貫禄の勝利を収め、ミハエル・シューマッハーに並ぶ歴代最多タイの7度目となるドライバーズタイトルを獲得した。なお、彼は既に優勝回数とポールポジション回数ではシューマッハーを上回り歴代単独トップとなっている。
ただ2014年以降はメルセデス自体がF1において圧倒的な強さを誇っていることから、ハミルトンの成功は純粋な能力以上に最高のマシンに乗っていたことが関係しているのではないか、という意見もある。
しかし、かつてマクラーレンやメルセデスで技術責任者として活躍したパディ・ロウは、ハミルトンが残した功績が余りにも大きいため、彼の才能を疑う余地はないと考えている。
またロウは、ドライバーの力量が大きな影響を与えるレース、マシンの速さが大きな影響を与えるレースがそれぞれ存在するとしながらも、ハミルトンのキャリア全体を見れば、彼に人並外れた才能があることが一目瞭然だという。
「トルコのレースでは、彼が違いをもたらしたのは明らかだった」とロウは語った。
「もちろん、メルセデスは良いマシンだ。しかし彼のチームメイトや、あのレースを戦っていた他の偉大なドライバーたちと比べると、彼は完璧なパフォーマンスを発揮していた」
「私としては、仮にあのレース(での勝利)が100%彼の力によるものではないとしても、間違いなく90%台後半は彼の力だ」
「彼のこれまでのキャリアや7回のワールドタイトルを考えれば、チームが素晴らしいマシンを作ってきたことだけを評価する訳にはいかない。ルイスのように14シーズンのキャリアの大半でトップレベルのマシンに乗っていたとしても、7回チャンピオンを獲得したのであればそれは彼のドライビングのおかげだ」
「特定のシーズンをピックアップして『あの年は楽勝だった』などと言うことはできる。しかし彼らにとっては、全てが楽勝ではなかったと思う。安定性などあらゆる面が関係している」
「自らの才能がチャンピオン獲得に大きく貢献した偉大なドライバーはたくさんいる。しかし7回もチャンピオンを獲るには、特別な安定性が必要なんだ」
ロウによると、ハミルトンがライバルよりも優れているのは、その労働意欲の高さ、そして決して油断することなく、常に何かが起こると予想していることだという。
アイルトン・セナ、ミカ・ハッキネン、デイモン・ヒル、ナイジェル・マンセルなど、多くの偉大なドライバーと仕事をしてきたロウだが、それらのドライバーにない部分が、ハミルトンにはあると語る。
「何度もチャンピオンを獲得するために、毎年毎年そこに留まり、努力し続けるという粘り強さを持ったドライバーは、彼らの中にはいない」とロウ。
「ルイスの特徴はそこにある」
「彼はそれをするために大きな犠牲を払ってきた。F1キャリアに専念するために、人生の選択という意味で犠牲を払ってきたんだ。そして同じチームに留まるという一貫性もある」
「人々は、彼が14年のF1キャリアの中での勝利のほとんどをメルセデスで挙げていると言うが、彼は2チームでしかドライブしていない。そこを考えてほしい。そこには一貫性や忠誠心、人間関係のマネジメントなど、あらゆる要素が含まれている」
「同じチームに留まり、チームと共にパフォーマンスを構築し、結果を残す。これには関係性を維持することが求められる。これもまた、長期的な成功を実現するためのパッケージの一部なのだ」
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