メルセデスW12は“モンスター級”の気まぐれさ? 「セットアップがかなり難しい」とハミルトン
ルイス・ハミルトンは、メルセデスが2021年F1マシンのセットアップに苦労したことを引き合いに、そのマシンがまるで「気まぐれな歌姫」のようであると感じている。
写真:: Steve Etherington / Motorsport Images
2014年からF1で連覇を続けるメルセデスは、今季もタイトル争いの主役となっているものの、時にはライバルのレッドブルに対して後手に回ることもあり、例年以上に厳しいシーズンとなっている。特にシーズン前のテストでは、新しい空力レギュレーションによる影響がマシンバランスの面で顕著に現れていた。
ドライバーズタイトル5連覇を目指すルイス・ハミルトンは今季のチャンピオンシップ争いについて、メルセデスW12のポテンシャルを最大限に引き出し、思い通りのパフォーマンスを発揮するという点では厳しいシーズンだと語った。
またハミルトンは、かつてチーム代表のトト・ウルフが「ディーバ(気まぐれな歌姫)」と形容した2017年マシンW08を引き合いに出し、W12はそれを上回る難しさを持ったマシンだとした。
今季の取り組みについて、ハミルトンはこう語った。
「これまで以上に努力してきたと言える」
「自分の取り組みやパフォーマンスについては、おおむね満足している」
「しかし、今年気付いたことは、マシンのセットアップが非常に難しいということだ」
「去年だったか、その前だったかは忘れたけど、トトがマシンのことをディーバだと言っていた。でも今年のはその中でもモンスター級のディーバだ」
「フリー走行の時間も少なくなったので、マシンを適切なウインドウに持っていくのが難しくなっている」
「マシンを適切なウインドウに持っていけないと、ポテンシャルが狭まってしまう。つまり、セットアップが適切でないと、能力を最大限に発揮できないんだ。そして、このマシンはそうすることがとても難しい」
「(サンパウロGPでは)思い通りにクルマを動かすことができた。文字通り核心を突いたような感じだった。でもそんなことができたのは、今年に入って1度か2度だけだと思う」
メルセデスがこのような状況に陥った背景には、今季からフロアに関するルールが改正され、レーキ角(前傾角)の小さいメルセデスのようなマシンが大きな影響を受けたということにあるようだ。
ハミルトン曰く、メルセデスをもってしても、ダウンフォース削減への対処は難しかったようだ。
「ダウンフォースを失うことはわかっていた。どのくらい失うかを理解した時点で、マシンの特性全体が変わってしまうことがわかった」
「僕たちは長年にわたって、色んなものを動かしたり元に戻したりして、マシンをスイートスポットに入れてきた。でも(今季は)何もいじることができない」
「でもそれはしょうがないことだから、少ないダウンフォースに対応するためのスマートな方法を見つけようとしてきた。これまで以上に難しくなる要素がたくさんあった」
「セットアップが本当に難しいマシンだから、多くのシミュレータテストを行なってきた。シムに乗っている時でさえ、グリップレベルや風の影響、(タイヤの)熱ダレの影響について適切な数字が出なかったりした」
「受け取ったデータや判断には細心の注意を払わなければいけなかった。まさに激動の1年という感じだった」
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