ハミルトン、反人種差別訴える“SNSボイコット”に賛同。多くの現役F1ドライバーがそれに追随
ルイス・ハミルトンはソーシャルメディア上でいくつかのボイコットが実施されていることを受けて、ソーシャルメディアを運営する企業は人種差別と戦うためにもっと努力する必要があると語った。
写真:: Steven Tee / Motorsport Images
スポーツ界では現在、インターネット上ではびこる人種差別に対抗するため、ソーシャルメディアを“ボイコット”するという流れが生まれつつある。イギリスの各サッカークラブ・リーグは先日、3日間にかけてソーシャルメディアに一切参加しないことを表明。これには同国のクリケット、ラグビー、テニスなどの協会も賛同しており、4月30日から5月2日まで一切SNSを投稿しないこととなっている。
F1界ではこれまで、ワールドチャンピオンでありただひとりの黒人ドライバーであるルイス・ハミルトン(メルセデス)が、世界中で起きた問題や抗議活動に誰よりも敏感に反応し、人種差別と戦う姿勢を見せてきた。そんなハミルトンは今週行なわれるSNSのボイコットについて尋ねられると、人種差別を根絶するために行動を起こすことは重要だと語り、賛同の意を示した。
「人種差別が今でも問題になっているのは、このスポーツにおいても明らかだ。これらと戦うためには、ソーシャルメディアがもっと頑張らないといけないと思っている」とハミルトンは言う。
「だからこの取り組みを全面的に支持するよ。僕がそれ(ボイコット)に参加することでそういったプラットフォームにプレッシャーを与え、人種差別と戦う手助けになるのであれば、喜んでやるよ」
ハミルトンはF1キャリア初期に人種差別被害に遭ったことがあるが、当時のF1のトップは対抗措置を取らず、「何も言わなかったし、何もしなかった」と昨年話していた。
彼はソーシャルメディア上でも人種差別的な罵倒を受けたことがあるというが、そういったプラットフォームから一歩身を引く大切さを学んだと語った。
「僕は随分と前に、ソーシャルメディアを見ながら皆と同じように交流しようとしていたら、そういった被害を受けたことがある」とハミルトン。
「そういった全てのコメントに目を通して、受け入れることなんてできないということを理解しなければいけなかった。そういうことに気を取られていたら、1日が台無しになってしまうからね」
「ソーシャルメディア企業はもっと努力するべきだと思っている。アルゴリズムを駆使して、反人種差別の社会を実現するためのステップを踏めるはずだ。僕たちはそういうことを目指していかないといけない」
「詳しいことは知らないんだけど、たくさんの組織が(ボイコットに)参加しているという話を聞いて、とても誇らしい」
「F1がなぜ参加していないかは分からないけど、例えばスカイスポーツのような団体が参加してくれればいいなと思うよ。だからさっきも言ったけど、僕はおそらく今週末、それに追随して支持していくことになると思う」
そしてその後ハミルトンは自身のSNSを更新し、今週末は自身もボイコットに参加することを表明した。投稿には次のように記されている。
「団結しているサッカーコミュニティに寄り添う形で、僕は今週末、自分のソーシャルメディアチャンネルを閉鎖する。僕たちの社会では、オンラインであろうがなかろうが、いかなる種類の誹謗中傷も許されないし、画面の向こう側から差別的な投稿をすることも許されない」
「ボイコットをしても一夜にして問題が解決することはないかもしれないけど、僕たちは例えそれが不可能に思えるようなことであっても、変化を求めないといけない」
「スポーツには僕たちを団結させる力がある。誹謗中傷をスポーツの一部として受け入れるのではなく、未来の世代を変える人間のひとりになろう」
またこのボイコットにはハミルトンのみならず、ランド・ノリス(マクラーレン)やジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)など非常に多くのF1ドライバーが賛同の意を示しており、今週末はソーシャルメディアをオフラインにすることを表明している。
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