「彼無しで成功はなかった」ラウダの死を悼むハミルトン、過去のメッセージは“宝物”か
メルセデスのルイス・ハミルトンは、2019年5月に亡くなったニキ・ラウダとのやり取りを、今でも見返していると明かし、“彼無しでは成功しなかった”と語った。
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Andrew Hone / Motorsport Images
2019年5月、モナコGPを前にメルセデスのノンエグゼクティブチェアマンを務めていた、3度のF1チャンピオンであるニキ・ラウダがこの世を去った。
メルセデスはラウダへの追悼として、マシンのエンジンカウルに“レッドスター”を配置し、ハロに赤い特別カラーリングを施してレースへ挑んだ。そして、ルイス・ハミルトンはラウダをトリビュートした特別仕様のヘルメットを被って出走すると、見事にレース優勝を果たした。
以前、ハミルトンは2019年シーズン中はラウダの死、そしてF2のアントワーヌ・アンソニー・ユベールの事故死によって、メンタル面で“悪魔”と戦っていたと認めていた。
ハミルトンがmotoorsport.comを含むいくつかのメディアに対して語ったところによると、彼はラウダとの会話が恋しいと今も感じているようだ。
「メッセージをもらったり、ビデオを共有したりするのが恋しいよ。僕は今でも多くのやり取りを保存しているし、見直したりしているんだ」
「繰り返しになるけど、彼のサポート無しでは僕はおそらくこのチームには来なかっただろう。それに、このチームに留まっていなかったかもしれない。彼のサポート無しでこのチームが成功したとは、僕は思わない」
「取締役のところへ行って、発破をかける。それが彼の得意なことだった。もちろん、それは僕にもそうだった。両者の架け橋だったんだ。トト(ウルフ/チーム代表)はレーシングドライバーで、取締役だ。一方でニキは真のチャンピオンを理解して、レースウィークからレースウィークへの移り変わりがどれほど難しいか共感することができた。僕がミスをしたときなんかも……ね」
「それは彼の素晴らしいところで、僕にとっての大きな支えだった。だから彼がとても恋しい」
こうしてハミルトンはラウダが彼の中で大きな存在だったと語った。ただ、ハミルトンはラウダについて“テレビでいろいろ自分について話しているけど、素晴らしい意見を持っているわけではないな”と当初は考えていたと回想していた。
「急に、僕は人生の大きな決断を下さなければならない状況にあった。ニキが僕に電話してきたんだ」
ハミルトンはメルセデス加入前の状況をそう語る。
「『ワオ、3度の世界チャンピオンと話しているんだ』と思ったんだけど、彼のことを本当によくは知らなかったから、その電話で彼を信頼する、とは言えなかった」
「ロス(ブラウン/当時メルセデスのチーム代表)と話し合い、そしてニキともホテルの部屋で話し合った。そして僕らは一緒に旅をした。僕らは友として互いを関係を育んだと思う」
そして、ハミルトンはラウダが逝去する少し前に会いに行っていたと明かした。
「彼に会うのは本当に大変だった」と、ハミルトンは言う。
「僕らは互いにビデオを送っていた。彼がとても大変な事になったのを見て、それから戻ってきたときに彼は車椅子だったけど、僕はとても希望を持っていた」
「それから、彼はまた体調が悪化し始めてしまった。僕が会いに行って、ベッドで管の繋がれた彼と会うのはショックだったよ。僕の叔母は癌で亡くなったから、そういうのは見たことがあったんだ」
「それでもショックだった。彼の精神……輝かしい精神は垣間見ることが出来たけどそれは少し暗さを帯び始めていた。知っていたかい?」
「そして彼のファイティングスピリットはくすみつつあった。でもこうした長期の戦いを続けていれば自然なことだ。その時に実感したよ」
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