ルイス・ハミルトン、F1ベルギーGP”無料”再レースの実施を提案「それが実現すれば、素晴らしいことだ」

　2021年のF1ベルギーGP決勝は、大雨に見舞われたことによってスタート時刻が大幅に遅れ、その上セーフティカー先導で3周目を走行していた際に赤旗中断。そのまま再開されることはなく、レースが終了することになった。

　レースの最終結果は、1周目終了時点での順位ということになり、これは1991年のオーストラリアGPの14周という記録を超え、F1史上最短のレースということになった。

　ただ、実際には2周以上を走ったため、レースは成立。各ドライバーは規定の半分のポイントを手にすることができた。

　メルセデスのルイス・ハミルトンは、わずか3周目で終わった今回のレースについて「茶番劇」だと酷評し、セーフティカー先導でスタートするという決断は、商業的な理由でしかないと痛烈に非難。F1の首脳陣に対し、日曜日に来場したファンに対して観戦料金を払い戻すよう呼びかけている。

　スパでのレースを今年中にやり直すことは、スケジュール的に考えても難しいと考えられる。しかしハミルトンは、もしファンのために選手権外でのレースを開催するということになれば、それに喜んで応じると答える。

「そうなれば、僕は絶対にスパに戻ってくる」

　そうハミルトンは語った。

「僕はスパが大好きなんだ。もし雨が降っていない時を見つけて、ファンに無料でレースを提供できる方法があれば、それは素晴らしいことだ」

　このハミルトンの意見は、予選で2番手につけ、そのまま2位表彰台を手にしたジョージ・ラッセル（ウイリアムズ）も支持した。

「もし僕らが今年、代替のレースをしなければいけないということになれば、ここに戻ってくることについては何の異論もないよ」

　そうラッセルは語る。

「スパは間違いなく、世界で最高のサーキットのひとつだし、最高のレースになる。ベルギーに住むF1ファンの多くは、何のためにスパまでやって来なければならなかったのか……それを理解するチャンスすらなかったのは明らかだ」

「だからもし代替レースをスパで行なうということになれば、ファンの損失を補うひとつの方法と言えるかもしれない」

　インディカーやNASCARとは異なり、F1はイベントの規模や関係者の人数を考えると、グランプリを1日延期するのは簡単なことではない。

　なおFIAのジャン・トッド会長は9月1日（水）に、F1の首脳陣が今月上旬にチームの代表者と会い、今回のような事態が再発するのを防止するためのレギュレーション変更の可能性について話し合うと明らかにした。