分析
F1
”秘密の”フロントウイングを投入したレッドブル。それが意味するモノとは?
レッドブルの2020年シーズン用マシンRB16は、シーズン序盤の段階で、空力的にかなり敏感であることが分かった。チームはこの傾向を解消するため、様々なアップデートを定期的に施している。
Giorgio Piola Matt Somerfield
編集: 2020/10/18 12:24
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ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
Analysis provided by Giorgio Piola
レッドブルは、2020年のF1シーンでメルセデスに次ぐ2番手のポジションにつけている。しかし、今年用マシンRB16は空力的に敏感すぎる部分があり、アレクサンダー・アルボンはそのドライビングに大いに苦戦している。チームメイトのマックス・フェルスタッペンは、唯一メルセデス勢に肉薄している存在だが、それでもここまで1勝にとどまっている。
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この空力面の問題を乗り越えるために、レッドブルは定期的にアップデートを実施。2台のマシンを比較し、問題点を排除することを目指している。
レッドブルの強みのひとつ、それはフロントウイングだと思われてきており、今季も既に複数回にわたってアップデートが投入されている。しかしニュルブルクリンクで行なわれたアイフェルGPに持ち込まれたフロントウイングは、人々の想像よりも一歩進んだモノだった。ピットレーンで目撃されたフロントウイング翼端板の下面に、溝が設けられていたのだ。
Red Bull Racing RB16 front wing footplate detail
Photo by: Giorgio Piola
翼端板の下部、フットプレートと呼ばれる部分は、フロントウイングの中でも特に敏感な部分だ。路面が完全に平らであるわけではないため、車高は絶えず変化している。そのため、この部分にかかる圧力も常に変化しているのだ。
またこの部分を通過して後方に流れていく気流は、フロントタイヤによって発生する乱気流への対処にも、大きく影響してくる。フロントウイングをうまく使い、フロントタイヤ後方の乱気流を制御できるかどうかは、マシンの空力全体に影響を及ぼす。
そのため各チームは、この部分へ様々なソリューションを投入。フロントタイヤで発生する乱流の制御に勤しんできた。
RB16のフロントウイング下面に設けられたこの溝は実に興味深い。この部分が存在することによって、フロントウイング下の気圧の分布に影響を与える可能性があるのだ。
ただこの溝はそういった働きのみにとどまらず、フロントウイングの他の部分のパフォーマンス向上にも活用されている可能性がある。フロントウイングの翼端板をよく見ると、後端にふたつの小さな穴が開けられている。
Red Bull Racing RB16 front wing endplate detail
Photo by: Giorgio Piola
翼端板下面の溝、そして翼端板後端の穴……このふたつは繋がっているのではないか? そんな想像もすることができる。もしこれが事実であれば、翼端板で作られる気流の渦自体をコントロールすることができるかもしれない。
このエリアは、各チームにとって空力開発の最優先と言えるかもしれない。そのため、この部分には各マシンとも毎戦のように、細かい修正が加えられてきた。
Front wing endplate of the Red Bull Racing RB15
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
レッドブルは昨シーズン、他のいくつかのチームが採用したように、翼端板の後端上部の角を切り取ってみせた。これにより、渦の形成を変えたのだ。
この翼端板下の溝は、チームとしては隠しておきたかったもののはずだ。しかし、ひょんなことからニュルブルクリンクで撮影されてしまい、世間に露見することとなった。ピットレーンでメカニックたちがマシンを持ち上げる、その一瞬の隙を狙われたわけだ。
Alexander Albon, Red Bull Racing RB16 being recovered after crashing
Photo by: Charles Coates / Motorsport Images
一方、コースサイドの止まったマシンが回収される際も、絶好の撮影タイミングとなることがある。このイギリスGPのフリー走行でクラッシュしたアルボンのマシンなど、その好例と言えよう。このクレーンに吊り下げられたマシンのフロントウイングを下から覗くと、まだ溝が設けられていないことが分かる。
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