F1タイトル争い、山場は近い? デイモン・ヒル「ここが転換点になりうる」と予想
デイモン・ヒルは、F1タイトル争いの転換点が間もなく訪れると考えており、レッドブルに流れが傾けば、フェラーリが挽回するのは難しくなってくると語った。


1996年のF1ワールドチャンピオンで『Sky Sports』のF1解説者であるデイモン・ヒルは、第10戦イギリスGPを前に、タイトル争いは”転換点”に近づいていると語った。
レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、9戦で6勝を挙げる活躍で、チャンピオンシップをリード。チームメイトのセルジオ・ペレスに46ポイント差をつけている。
開幕3戦を終えた段階では、フェラーリとシャルル・ルクレールが優位に立っていた。しかし、そこからレッドブルがフェラーリに勝利を許さず6連勝。一時は46ポイントのリードを持っていたルクレールは、今や49ポイント差を追う立場となっている。
ヒルは、タイトル争いが重要な局面にさしかかっていると考えている。
「どちらに(流れが)行き始めるかによるね」とヒルは言う。
「もしマックスに傾き始めたら、フェラーリがそこから挽回するのはとてもとても難しいだろう」
「今、我々は重要な転換点にいるんだと思う」
4戦連続でポールポジションを獲得するなど、速さの面ではアドバンテージを持っているはずのルクレールだが、信頼性トラブルや戦略ミスなどもあり、表彰台に上がったのは5月の第5戦マイアミGPが最後だ。
ランキング2番手のペレスも、モナコでの優勝やアゼルバイジャンGPでの2位獲得など結果を残しているものの、カナダGPでのリタイアが響き、フェルスタッペンとの差が開いてしまった。
ヒルはフェラーリがレッドブルに反撃するためには、完璧な週末が必要だと考えているようだ。
「強力な週末を過ごさなければならない」
「マシンが強いか、そうでないか。彼らは戦略であれ、ペースであれ、マシントラブルであれ、全く問題なく非常に強力なレース週末を過ごしたことがないんだ」
フェルスタッペンは、カナダGP終盤にカルロス・サインツJr.(フェラーリ)からのプレッシャーを受けながらも、今季6勝目を挙げた。
ヒルはこの時のフェルスタッペンについて、「カナダGPの後、マックスはマシンにより満足できているように感じた」と語る。
「彼は完全にリラックスしているように見えた。だから、昨年のように強力なフィニッシュ(激しいタイトル争い)はできないかもしれないが、その可能性も完全には否定できない。このスポーツには不思議なことが起こるもので、物事は変化するものなのだ」
ヒルは、ポーパシング抑制に関連するルール調整で、勢力図が変わる可能性もあると指摘する。
「ご存知のように、マシンの乗り心地を改善するために、ちょっとしたバトルが繰り広げられている。現状を維持しようとするチームもあれば、問題を解決する機会を得ようとするチームもあると思う」
「FIAからのシーズン途中のルール変更や技術指令は全くありえないことではなく、それによって変化がもたらされるかもしれない」
F1は7月の5週で4レースを実施する怒涛のスケジュールとなっているが、タイトル争いにおいては勝負の1ヵ月になると言えそうだ。

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