ホンダF1の今後は? オーストリアGP優勝は、F1参戦継続を”後押し”する重要な1勝に
ホンダの山本雅史F1マネージングディレクターは、2019年の前半戦がF1参戦継続を後押しすると考えている。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
ホンダの山本雅史F1マネージングディレクターは、2019年シーズン前半戦の結果が、F1におけるホンダの将来に良い影響をもたらすと考えている。
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、第9戦オーストリアGPで今季初勝利を挙げた。これは、ホンダにとって2015年のF1復帰後初の勝利であり、2006年8月のハンガリーGP(ジェンソン・バトン)以来の勝利だった。
フェルスタッペンは第11戦ドイツGPで2勝目を挙げ、第12戦ハンガリーGPではポールポジションを獲得。決勝では惜しくもルイス・ハミルトンに敗れたものの、メルセデスに最も近いチャレンジャーの座を固めて夏休みに突入した。
ホンダは、来季の終了後もF1での活動を継続するかどうかを検討している最中だ。レッドブルのホームであるオーストリアでは、倉石誠司副社長など、ホンダの幹部が複数人訪れ、レッドブルと将来のプロジェクトに関する議論が行われた。フェルスタッペンは、まさに絶好のタイミングで勝利を挙げたわけだ。
ホンダの山本MDは、ホンダのF1復帰後初勝利の場所とタイミングという意味で、オーストリアは”鈴鹿と匹敵するほど”重要だったと、Autosport.com/motorsport.comに語った。
山本MDは、今季これまでの成績について、”望んでいた計画に完全に合致している”と付け加えた。
「これ以上、できることはあまりありません」
「私たちが言い続けてきたのは、昨年のレッドブルが出した結果を超えたいということです」
「私たちは5勝を挙げたいとは言っていませんでしたが、昨年レッドブルが獲得したポイントを超えたいと考えており、5勝は可能かもしれません」
レッドブルは、ルノーのパワーユニットを搭載していた2018年に、4勝を記録。合計13回の表彰台を獲得した。一方、レッドブル・ホンダは12レースを消化した時点で2勝。表彰台は計5回だ。一方、獲得ポイントを比較すると、レッドブルは昨年以上のペースでポイントを積み重ねている。
ピエール・ガスリーがフェルスタッペンに匹敵するパフォーマンスを残せず、夏休み明けのベルギーGPからは今季トロロッソからデビューしたばかりのアレクサンダー・アルボンがレッドブルに昇格する事態に陥っているにも関わらず、レッドブルは昨年の同じ時期よりも21ポイント多い、244ポイントを獲得している。
特にフェルスタッペンは素晴らしいシーズン前半戦を送っている。2018年は前半12レースで105ポイントを獲得していたのに対し、今季は全レースを5位以上でフィニッシュしており、181ポイントを稼いでいる。
2018年に中国GPとモナコGPで勝利したダニエル・リカルドでさえ、同じ時期に118ポイントしか稼いでいなかったことも考えると、その安定感は印象的だ。
これまでモータースポーツ部長を務めていた山本MDは、今季からF1専任のポストに就任。レッドブルとのプロジェクトに専念する形となり、ホンダはより”結果を出す体制”へとシフトした。
今季前半戦で2勝を挙げたことで、ホンダ社内だけでなく日本のファンからも大きな反応が得られたため、山本MDはホンダのF1参戦継続に対する自信が深まったと話した。
「それ(今季前半の成績)は、参戦継続を後押しすることになると思います」
「ホンダが勝ったことで、ホンダと(日本の)社会全体が非常に良いムードになっています。私たちにとって、それはとても良いことです」
「現時点で、(今後について発表する)タイミングを明確にすることは非常に困難です。社内で議論をしているのは事実です」
「しかし現時点では、いつ発表できるかは言えません」
レッドブルの2018年シーズン(ルノーPU搭載)と2019年シーズン(ホンダPU搭載)比較
レース |
2018年シーズン |
2019年シーズン |
オーストラリア |
リカルドが4位フィニッシュ。フェラーリのキミ・ライコネンに阻まれ表彰台は逃す |
フェルスタッペンが3位。レッドブル・ホンダにとって初表彰台 |
バーレーン |
リカルドが電気系の問題で早々にストップ, フェルスタッペンも接触のダメージでリタイア |
フェルスタッペンが予選5番手、決勝4位。ガスリー8位でシーズン初ポイント |
中国 |
レッドブル、セーフティカーをうまく利用した好戦略でリカルドが優勝。しかし、フリー走行ではエンジントラブルも発生 |
フェルスタッペン4位、ガスリーが6位 |
アゼルバイジャン |
決勝で4番手と5番手を走行していたフェルスタッペンとリカルドは、同士討ちでダブルリタイア |
フェルスタッペン、フェラーリ勢の間を割る4位。ガスリーはドライブシャフトのトラブルに泣く |
スペイン |
フェルスタッペンがシーズン初表彰台を獲得 |
フェルスタッペン、予選でベッテルに僅差で敗れ4番手。決勝は3位で、シーズン2度目の表彰台 |
モナコ |
リカルド、MGU-Kが故障しながらも抑えきって優勝。フェルスタッペンはFP3でのクラッシュで予選に出れず、決勝は9位 |
フェルスタッペン、優勝したハミルトンに終始プレッシャーをかけるも抜けず。ピットレーンでの接触でペナルティを受け4位 |
カナダ |
フェルスタッペンが3位、リカルドはハミルトン下し4位 |
予選では赤旗のタイミングに泣き、フェルスタッペンはQ2敗退の9番手スタート。それでも5位まで挽回。ガスリーは8位 |
フランス |
1コーナーでベッテルとボッタスが接触した恩恵を受け、フェルスタッペン2位。リカルドは単独走行の4位 |
ホンダがスペック3のPU導入も、レッドブルは苦戦。それでもフェルスタッペンが4位でフェラーリ勢の間に割って入る |
オーストリア |
メルセデス勢はダブルリタイアし、フェルスタッペン優勝。リカルドには信頼性トラブルが発生しリタイア |
フェルスタッペン、2番グリッドからのスタートで出遅れるも、終盤に猛追。ルクレールとの激しいバトルを制し、レッドブル・ホンダ初優勝 |
イギリス |
ブレーキの問題でフェルスタッペンはリタイア。リカルドは5位に終わる |
パワーが重要なシルバーストンでフェラーリのペースを上回る。ガスリーが自己ベストタイの4位フィニッシュ。フェルスタッペンはベッテルから追突され5位 |
ドイツ |
フェルスタッペンが4位。リカルドはPU交換でグリッド後方からスタートも、レース中にトラブル発生でリタイア |
フェルスタッペン、シーズン2度目のフロントロウ獲得。雨で混乱のレースを制し、2勝目 |
ハンガリー |
フェルスタッペンがエンジントラブルでリタイア。無線でルノーを猛批判。リカルドは表彰台に届かず4位 |
フェルスタッペンが自身初ポールポジション獲得。しかしハミルトンに逆転を許し2位 |
12戦での勝利数 |
3 |
2 |
12戦での表彰台獲得回数 |
6 |
5 |
12戦での獲得ポイント数 |
223 |
244 |
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