充実の冬を過ごしたホンダ、スタート出遅れという弱点解決にも手応え
ホンダは2020年シーズンのF1開幕に向けて、昨年の弱点だったスタート時のパフォーマンスについて、大きな進歩を遂げたようだ。


2020年のF1開幕が間近に迫っている。ホンダとの提携2年目を迎えたレッドブルは、今季を本格的にタイトル争いを展開するシーズンだと位置付けている。ホンダも、昨年の弱点だったスタート時のパフォーマンスを大きく改善しているようだ。
ホンダのパワーユニット(PU)を搭載するレッドブルとアルファタウリのマシンは、スペインのカタルニア・サーキットで開催されたプレシーズンテストをPU関連のトラブルフリーで終えている。
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディテクターは、オフシーズン中にPUの改善を進める中で、弱点を克服するための作業も行なわれたと述べた。
昨年、エンジンマッピングの影響なのか、ホンダPUを搭載するマシンはレーススタート時にホイールスピンを起こし、ポジションを落とすことが何度かあった。マックス・フェルスタッペンが優勝したオーストリアGPやドイツGPでも、フロントロウからスタートしながらも、ポジションを落としている。
田辺TDはmotorsport.comの独占取材に応え「レースのスタートは非常に重要です。例えポールポジションを獲得したとしても、それを簡単に失ってしまいます」
「ですから昨シーズンから、私たちはキャリブレーションをしっかりと行ない、スタート時のパフォーマンス改善に取り組んできました。そして今、我々はそのパフォーマンスを上げることができたと自信を持っています」
田辺TDはホンダの新しいPUを他メーカーのPUと比較して判断するのはまだ早いとしつつも、冬の間に素晴らしい進歩を遂げることができたと語った。
「今年はレッドブル・レーシングと組んで2年目、トロロッソ(現アルファタウリ)とは3年目です。私たちはレッドブル・テクノロジーと作業しており、レッドブルとアルファタウリに相乗効果を及ぼします」
「シャシーへのPUの統合に関しても密接に連携しているため、昨年よりもそれぞれのチームとのパッケージングにより時間をかけることができました」
「PUのパフォーマンスと信頼性の向上には常に取り組んでいるため、レース中のエンジンモードや燃費については妥協を強いられます。私たちが改善に集中すべきアイテムはとてもたくさんありますが、今年はパフォーマンス、信頼性、パッケージングが大きな武器です」
アルファタウリのチーム代表であるフランツ・トストは、パッケージングの面で提携初年度とは大違いだと語り、ホンダの大きな前進を称賛した。
一方、田辺TDはトストのコメントについて「大きな一歩ではなかったですが、デザイナーにとってはそうだったのかもしれません」と話した。
「それは微調整でした。私たちはパッケージを改善するためにチームと一生懸命働いてきたんです」
田辺TDに、ホンダにとってこのオフシーズンとプレシーズンテストが望んでいた様な形になったかと訊くと、彼は「はい、昨年より良かったと思います」と答えた。
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