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ホンダ・レーシング、2026年F1パワーユニット製造者登録の背景。HRC渡辺社長「研究のため我々は席についた段階」

2026年からF1に導入される新パワーユニット(PU)レギュレーション下において製造者登録を行なったと明かしたホンダ・レーシング。その背景をHRCの渡辺康治社長に訊いた。

Koji Watanabe, HRC CEO

写真:: Motorsport.com / Japan

 12月12日(月)に行なわれたホンダ・レーシング(HRC)の2023年モータースポーツ活動発表会での取材陣との質疑の中で、HRCの渡辺康治社長はF1に2026年から導入される次世代パワーユニット(PU)レギュレーションの製造者として登録を行なったと明かした。

 ただ状況としては、新たなPU技術について研究するために”席についた”段階であり、現時点では再参戦を検討していることはないという。

 渡辺HRC社長はmotorsport.comのインタビューに応じ、製造者登録を完了したものの、現時点では研究対象としてレギュレーションを確認することが主目的にあるとその背景を説明した。

「まずは、2026年のレギュレーションというのは何が起きるんだというところを、レース専門会社のHRCとして情報として色々と勉強しておきたいということです」

 そう渡辺社長は語る。

「いずれにしても、レースそのものをカーボンニュートラル化しないといけないという事実は、我々も含め当たり前、どこも一緒です。F1では(カーボンニュートラル化において)何をやれば良いのかというところを勉強することで、他の分野に適用しようと考えた時にもやり易いということです」

「あくまでも、どんな技術をやろうとしているのかというところをレギュレーションで確認していきながら、もしその中でレースや量産領域でのカーボンニュートラル化に役立つようなモノがあれば、要素として研究する可能性はあるということです」

 また、2026年からの新レギュレーション下のPUが持つ二面性が、HRCとしては魅力的だったと渡辺社長は語る。

「電動の比率が非常に上がっていくというのが大きいです。またHRCとしては、F1が内燃機関を残しながらも、カーボンニュートラル燃料を用いることでカーボンニュートラル化を目指すという側面も持っているというところは賢いと考えています」

「WEC(FIA世界耐久選手権)のハイパーカーでは確かに似たところがありますが、BoP(性能調整)が行なわれたり、ある領域では既製品を使ったりしています。F1の場合、もちろん予算制限はあるものの、自由競争で開発できるというところが魅力ではあります」

Honda Racing logo on Red Bull Racing RB18

Honda Racing logo on Red Bull Racing RB18

Photo by: Red Bull Content Pool

■F1復帰の可能性はあるのか?

 では、F1への再参戦の可能性はゼロではないということなのだろうか? 

 そう渡辺社長に尋ねると、「もちろんです」という答えが帰ってきた。そして、今回の登録には将来に向けた選択肢を残すという側面も関係していると説明した。実際、2026年からのPU製造者登録の締切は結果的に延長されることとなったものの、当初は11月15日が期限だとされていた。

「お話したように11月15日が登録の締め切りでした。今はまた延びたようですが、我々はその時の判断として、11月15日までに登録するということで考えていました」

「正直に言うと、降りるのは簡単なんです。ある一定の期間を過ぎると供給義務が出てきますが、今のところはまだありません」

「(署名時には)管理費みたいなモノを収める必要はあります。あまり無責任なことも言えませんが、我々としては将来としての可能性を残すということと、何よりやはりF1での要素技術の研究というところです」

 ただ、現時点でHRCはレギュレーションの中身を見るために「レストランの椅子に座っただけ」で、「まだメニューを開いていない」状態だとしている。

 渡辺社長も「まだ他の人も座っていませんし、座っているかどうかも分かりません。それは店長しかしらなくて、私たちは自分たちの分を予約しただけといった感じです」と語っており、再参戦の議論は行なっていないと明言している。

「現時点では、再参戦の議論はしていないし、検討はしていないということです」と渡辺社長は言う。

「まず製造者登録の締め切りがあったので、登録をしておいたというだけ。再参戦するかどうかということは後で決めてもいい訳です。F1をやるという機運がホンダ社内で高まってくれば、検討に入るかもしれませんが、今は製造者登録の締め切りだったので、登録を行なったまでです」

Honda Logo

Honda Logo

Photo by: Motorsport.com / Japan

■レッドブルのRBPTプロジェクトとは別

 今後HRCは、他の登録メーカーと共にPUレギュレーションに関する会議に出席し、レギュレーションの詰めなどに参加していくこととなる。また、HRC内で進められるPUに関する研究は、現在もHRC Sakuraに残るメンバーが担当するという。現段階では再参戦そのものを議論していないこともあり、2021年末限りでのF1撤退時に行なったリソースシフトで転属となった人員をSakuraに戻すといった人事は行なわないとしている。

 2022年シーズン、HRCはレッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリの2チームにPUを供給し、レッドブルが立ち上げた新PU部門「レッドブル・パワートレインズ(RBPT)」がその運用を行なってきた。そしてその協力関係は、パフォーマンス面での開発が凍結されている現行PUレギュレーションが終了する2025年末まで延長されることとなっている。

 2026年シーズンからレッドブル側は、新規PUメーカーとして内燃機関をRBPTが担当し、電動技術の領域をHRCが担当するとも示唆しており、ホンダ/HRCが今後どのようにF1への関与を続けていくのか、という点が大きな注目を集めてきた。

 しかしHRCの製造者登録は、RBPTとは別枠。レッドブルとは別路線を歩む可能性もあるということだ。

「製造者登録はあくまでもHRCが登録したモノであって、レッドブルと組む・組まないという話とは全く別物です」

 そう渡辺社長は語り、憶測については次のように見解を述べた。

「それ(PU製造の分担)は彼らが思っていることです。そもそも、やる・やらないという議論も全然していません」

「そのようなことをするつもりは、現時点ではないです。製造者登録しているというのは、その両方(電動部分と内燃機関)を見据えて登録しているということです」

 2022年シーズンはHRCがサポートするレッドブル・レーシングが22戦中17勝という圧倒的な強さを見せつけ、ダブルタイトルを獲得。無論、HRCもその成功に大きな貢献を果たした。

 そうした背景から、HRCもしくはホンダのF1正式復帰を望む声も多い。渡辺社長は「今回の登録がF1復帰を意味するものではないのですが、そういう声は嬉しく思っています」と語った。

 
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