F1 オランダGP

ホンダF1、PU性能改善の時期見通しを示す「2027年中か2028年にはトップの競争相手になりたい」

ホンダはF1パワーユニットを改良する作業を進めているが、トップに返り咲く目標を2027年末~2028年初頭に設定しているようだ。

Ronald Vording

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公開日時: 2026/08/17 2:33

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Lance Stroll, Aston Martin Racing

 ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、2027年末か2028年には再びトップの位置を争えるようにしたいという考えを明かした。

 2026年からアストンマーティンと組んで新たなF1プロジェクトをスタートさせたホンダ。開幕から厳しい状況が続いたが、ホンダは前を向き続けている。

 ホンダはレッドブルと組んでいた2021年に、マックス・フェルスタッペンの手によりドライバーズタイトルを獲得した。この年限りでホンダは一旦F1を撤退。しかしその後は、PU開発が凍結されていたこともあった、HRC(ホンダ・レーシング)を介してレッドブルにPUを供給し続け、大成功を収めた。

 そして今季、ホンダとして正式にF1復帰を果たした。しかし開幕から躓くことになってしまった……PUのパフォーマンスが劣っているのを認識したのは、今年の1月になってからだったという。その原因は、HRCの開発チームの陣容がレッドブル時代とは大きく異なっているからだという見方もあるが、人材をローテーション……つまりF1開発を担った人物が市販車や先進技術の開発部門に異動したり、また逆の人事異動を行なうのはホンダのグループ内では常であり、今回の躓きとは特に関係がないかもしれない。

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 厳しい前半戦を経たホンダ。彼らは後半戦初戦となるオランダGPでPUに今季初のアップデートを投入する。これはエンジンの改良に特に焦点を当てたモノとなっているという。

 オランダGPのアップデートによってホンダは、エンジン性能の面で再び”競争の土俵”に戻ることを狙っているが、ライバルとの性能差を埋めるには今後さらに複数のアップデートが必要になってくると見られている。開発作業は2027年シーズンに向けても続けられており、すでに舞台裏では多大な努力が払われている。

「2027年は燃料流量について少し異なる規則になりますが、開発プログラム自体は変わりません。燃焼性能をさらに向上させる必要があります」

 ホンダF1の折原伸太郎エンジニアはMotorsport.comの独占インタビューにそう語った。

「ですから、引き続きエンジンの性能向上に注力し、2027年にはそこに向けてより大きなステップを踏みたいと考えています。それが我々の最大の焦点です」

 新たなエンジンとシャシーは、エイドリアン・ニューウェイの設計にホンダのパワーユニットをよりうまく統合する機会にもなると、折原エンジニアは認める。

 今年の初めには、ニューウェイから土壇場での要求が出され、それに伴って複雑な状況が生じたという話もある。しかし、1年間にわたって共に仕事をしてきた経験を得たことで、来季に向けてPUとシャシーの統合を改善する余地が生まれているというわけだ。

「我々はアストンマーティンと緊密に話し合い、新しいシャシーにパワーユニットをよりうまく統合できるよう取り組んでいます。ですから、今は2027年に向けて良いエンジンを開発すること、そして舞台裏でアストンマーティンと緊密に仕事をすることに集中しています」

■厳しいスタート、でもホンダの野心的な目標

 ホンダの前回のF1参戦期も厳しいスタートとなったが、最終的にはレッドブルとマックス・フェルスタッペンとともにチャンピオンシップを制するまでに至った。2023年には22戦21勝という、F1史上最高の年間勝率記録を樹立した。

 とはいえ現在の苦戦を考えれば、アストンマーティンもホンダも、まだ勝利どころか世界タイトルについて考えてはいない。それでも過去の経験は、長期的に再び状況を好転させられるという自信につながっている。

 ホンダが目標とする競争力に到達するまでの期間について問われた折原エンジニアは、次のように答えた。

「F1では、正確なタイムスケールを示すのは難しいです。我々のパフォーマンスは常に他の競争相手との相対的なものだからです」

「夏休み後には、再び競争の場に戻りたいと考えています。そしてファクトリーでは、2027年に向けてさらに大きなステップを踏むために懸命に取り組んでいます。ただ、繰り返しになりますが、現実的に考える必要があります」

「ですから、2027年の初めには、まだ最高のパワーユニットを持っていないかもしれません。しかし、トップの競争相手には近づいているでしょう。そして、そこからさらにプッシュし続け、2027年中か2028年にはトップグループの競争相手になりたいと考えています」

■2027年に再び信頼性が問題になる可能性は?

 ただし、来季に向けてホンダが考慮すべきなのは、性能差を縮めることだけではない。

 ホンダを含む全PUメーカーは、すでに発表されている燃料流量の変更にも備える必要がある。これは2027年に内燃エンジンと電気エネルギーの比率を58対42へ変更し、2028年には60対40とするレギュレーションの変化に沿った課題だ。

「おそらく最も難しいのは信頼性でしょう」と折原エンジニアは語った。

「仮に燃料流量が変更されなかったとしても、性能を向上させるのであれば、信頼性もを引き上げなければいけません」

「しかし今回は燃料流量も増加します。そのため、信頼性に対する要求はかなり大きくなります。我々にとっては、燃焼性能の向上に加えて、燃料流量の増加にも対応しなければなりません」

 それでも折原エンジニアは、こうした変更を経てもホンダが必要な信頼性を実現することは可能だと考えている。

「信頼性に対する要求は大きく、開発期間もかなり短いです。ですから、それは難しいポイントだと思います。ただ、FIAが段階的な措置を講じてくれたことには感謝しています」

「もし1年間で大きく(比率を)引き上げることになっていたら、大きな問題になっていたでしょう。しかし今回は2段階に分けられました。それはパワーの増加という点では妥当な数字ですし、ショーについても考慮する必要があることを考えれば、良い判断だったと思います。信頼性にとっては依然として難しいものになりますが、良い決定だったと思います」

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