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ホンダがモータースポーツに挑む理由:ホンダ・モータースポーツ部長に訊く3

ホンダといえばモータースポーツのイメージが強いメーカーである。今のホンダにとって、F1やスーパーGT、MotoGPなど、モータースポーツに挑む意味とは何なのだろうか?

A Honda logo on a Red Bull

A Honda logo on a Red Bull

Zak Mauger / Motorsport Images

 F1やMotoGP、そして国内レースと、幅広いカテゴリーのモータースポーツに参戦を続けるホンダ。そのため、ホンダ=レースという印象も強い。

 今回お話を伺ったホンダの清水宏モータースポーツ部長は以前、モータースポーツで培った技術が市販車にも活かされているということを、もっと説明していきたいとmotorsport.comに語っていた。現状ではホンダのモータースポーツと市販車のリンクはどうなっているのだろうか?

「二輪では、CBR1000RR-Rですね。これは久々のニューモデルで、世界スーパーバイク選手権にも今年から参戦しています。このレースで活躍し、ヨーロッパだけではなく、進展国のビッグバイクのライダーにも、その魅力を伝えたいです。また四輪では、世界各国でシビックTCRを走らせています。このTCRマシンの開発拠点であるイタリアのJAS(ヤス)で、欧州向けのシビック・タイプR限定車の発表会も実施しました。このようなモータースポーツと市販車の関係性は、発信できるようになってきたと思います」

 では例えばモータースポーツの最高峰と言われるF1と、市販車技術のリンクはどうなっているのか?

「これは、直結というのは難しいです」

 清水部長はそう語る。

「どちらかと言えば、”F1を戦っているホンダ”というブランドイメージの追求の方が強いです。今、日本で一番売れているホンダ車はN-BOXです。このN-BOXを買われるお客様が、F1との関連性を求めているかと言えば、ダイレクトではないと思います」

 かつてF1は「走る実験室」と言われていた。清水部長曰く、市販車技術への直接の転用こそあまりないものの、今でも十分に「走る実験室」の役割を果たしているという。

「航空機からこういう技術が転用できた、基礎研究からこういう技術が使えた……そういう活動を行なっているという意味でF1は、我々が持っている技術をブラッシュアップしたり、限界領域で使うといった、実験室の役割を果たしていると思います」

「そして技術を育てるのはもちろんですが、モータースポーツは人を育ててくれます。例えば軽自動車のように非常に厳しい制約があるクルマを作る際、その人が鍛えられていないとなかなか難しい。それも、モータースポーツをやっている意味だと思います」

 レースがホンダの未来を作り上げると語る清水部長。そしてスタードライバーが誕生すれば、日本におけるモータースポーツの未来も有望なモノになると語る。

 ホンダが支援する、未来のドライバー/ライダーを育てるプロジェクト……それが鈴鹿サーキット・レーシングスクール(SRS)である。その中でもSRS-F(フォーミュラ)とSRS-K(カート)は、昨年から体制を一新。プリンシパル(校長)に佐藤琢磨が就き、ヴァイス・プリンシパル(副校長)には中野信治が就任した。

 このSRSに、ホンダが期待するモノとは何なのか?

「日本のモータースポーツの”種”を育てるということだと思います」

 そう清水部長は語る。

「日本は、自動車のハード面では良いモノを持っています。しかしソフト、特にドライバーという面では、スタードライバーがいたり、いなかったりという時期を繰り返しています。SRSには非常に長い歴史があるので、これを続けていって、将来モータースポーツの花を咲かせる仕組みになればいいと思っています」

「ゴルフで言えば渋野日向子、野球で言えば大谷翔平……そういうスターが出てくることで、このスポーツがすごく取り上げられるようになると思います。そういうことが二輪でも、四輪でもいいので、モータースポーツで起きて欲しい。本当にそう思っています」

「ホンダに対する影響というよりも、モータースポーツの地位確立のためには、絶対に必要なことだと思います。ヨーロッパでは、モータースポーツがより一般的な“スポーツ”として認識されていると感じています。サッカーやラグビー、クリケットと同じように、皆さんレースを見ている。日本もそうなって欲しいです」

「そのためには、スタードライバーやライダーが出てくるのが、一番効果的だと思います。そういう人材が、SRSから育ってきてくれたらと思っています」

 ホンダはなぜモータースポーツをやるのか? 最後にそれを問うと、清水部長は改めて、次のように語ってくれた。

「ホンダと言えば何? と道行く人に聞いた時、『レースをやっていますよね』という答えが返ってくれば、それがひとつの財産なのだと思います。人の気持ちの中に、どれだけのモノが残るのか、それがブランドという意味で重要なのではないかと思います」

「また、その中で技術者がどんどん育ってくれればいいと思います。モータースポーツは、人を育てます。競争の中で時間に追われ、短期間で成果が求められる……そうすると自ずから頭の回転が速くなりますし、先回りして準備をするという癖も付きます。そういう人たちがモータースポーツでどんどん育って、その彼らが色んなところに散らばって活躍してくれたら、ホンダはもっと良い会社になるのではないかと思います」

 

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