

レッドブル代表のクリスチャン・ホーナーは、ガスリーのレッドブル昇格が上手くいかなかったにも関わらず、若手ドライバーを起用するという方針は正しいと主張した。
レッドブルは、サマーブレイク中に衝撃的な人事を発表した。苦しい前半戦を過ごしていたピエール・ガスリーをトロロッソへ降格させ、ルーキーのアレクサンダー・アルボンを昇格させたのだ。
こうしたシャッフル人事によって、レッドブルの育成プログラムの成果に対して、再び疑問が投げかけられる事になったが、チーム代表のクリスチャン・ホーナーは未来のスーパースターを獲得するための唯一の方法であると断言した。
「現在のドライバーがF1にたどり着く道は、彼らがカートで過ごしている時から、シミュレーター、スモールフォーミュラに至るまで良く準備されている」
「マックス(フェルスタッペン)がF1にどのくらい早く来たか見ていただろう。そして誰もがF1に来るのは早すぎる何とか話していた。それが我々がいる今の世界だ」
「ドライバーはより準備をした状態で(F1に)来るが、若手ドライバーへ投資するかどうかは、チームがリスクをどれくらい許容するかにかなり依存している」
「我々が若手に投資してこなければ、(セバスチャン)ベッテルやフェルスタッペン、(ダニエル)リカルドを見つけることは無かっただろう。恐らくカルロス・サインツJr.は(F1デビューの)機会を手にできなかったはずだ。同じことがアレックス(アルボン)や(ダニール)クビアト、そして言うまでもなくガスリーにも言える」
レッドブル陣営のF1ドライバーであるアルボンやクビアトは、一度レッドブルの育成プログラムから脱落したことがあるが、今は再び同陣営でドライバーとして活躍している。ホーナーはこうした状況について、ドライバーにセカンドチャンスが与えられていることを示していると話した。
「そういったことはピエールにも話したんだが、セカンドチャンスがあるということの証明だと思う。今現在、そのシートにいないからと言って、それは将来に渡ってチャンスが無いということを意味している訳ではないんだ」
「ドライバーたちがどういった競争力を持っているかはジュニアプログラムで分かっているし、彼らは何を期待されているか分かっている。高いレベルでドライビングすることだよ」
また、ホーナーはガスリーにはまだ名誉挽回の機会があり、トロロッソへの降格はガスリーをよりプレッシャーの少ない状況に置くためだと主張した。
「ピエールはレッドブル・レーシングに加入した時に、何を期待されているのかを理解していた」
「レッドブルは上位チームなんだ。ガスリーの昇格は(想定より)早く、彼にはプレッシャーが積み重なった。そしてチームにとっても彼にとっても異動が最善の決定だったと思っている」
「彼はトロロッソでの仕事に適切な態度でアプローチしているように思える。どうなるかは時が経てば明らかになるだろう」
なおアルボンはレッドブル昇格初戦のベルギーGPを、PU交換のペナルティにより後方のグリッドからスタートしたものの、力強いレースぶりを見せた。終盤には豪快なオーバーテイクも決め、結局はフェラーリ、メルセデス勢に次ぐ5位まで挽回。その才能の片鱗を見せつけた。
一方でガスリーも、レッドブルに比べれば非力、しかも下馬評ではスパ・フランコルシャンには適さないと言われていたマシンにも関わらず、終始ポイント圏内を走行。タイヤのストラテジーが異なるマシンにポジションを脅かされるシーンもあったが、他車のリタイアにも助けられ、9位でフィニッシュした。
”非情”な人事に関与したドライバーは共に、新天地でまずまずのスタートを切ったと言えるだろう。
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この記事について
シリーズ | F1 |
チーム | レッドブル・ホンダ 発売中 |
執筆者 | Jonathan Noble |