レッドブル、フレキシブルフロントウイング搭載へ動く? FIAのライバルへの合法判断受けホーナー代表示唆
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、FIAがマクラーレンやメルセデスのフロントウイングを合法と承認したことが、レッドブルも同様の方向に進むきっかけになるだろうと語った。
Christian Horner, Team Principal, Red Bull Racing, inspects a nose section
写真:: Simon Galloway / Motorsport Images
レッドブルF1のクリスチャン・ホーナー代表は、FIAが最近ライバルチームのフロントウイング設計を合法と認めたことで、レッドブルもその方向に進むきっかけとなるだろうと語った。
問題となっていたのは、マクラーレンとメルセデスのフロントウイングが走行中に大きく動いているところ……つまりフレキシブルウイングになっていることが映像で確認されたこと。レッドブルは追加調査を望み、合法性についての明確な回答を求めていた。
そしてFIAはベルギーGPからフロントウイングの動きを監視してきたが、使用されているフロントウイングは全て合法であり、FIAの実施するテストに適合していると9月上旬に発表した。
ホーナー代表は、FIAが合法と結論付けたことで、レッドブルとしてもマクラーレンやメルセデスと同様に、静止状態での荷重テストに合格しつつ、直線などではウイングが変形して空力的なアドバンテージを得るような設計を追求するきっかけになるだろうと語った。
「どのチームにとっても常に重要なのは、明確さだと思う」
ホーナー代表はそう語る。
「その事が許容されるのか、そうでないのかだ。許容されるというのなら、当然ながら似たようなソリューションをこちらとしても追求することとなる」
「規制する側は言うまでもないが全ての利用できるデータを持っている。彼らには最近多くのマシンにカメラを取り付け、分析したデータがある」
「彼らはデータを集めている。だが先程も言ったように、それが許容できるものだと判断されたなら、その道を追求するというのはよくあることだ」
Oscar Piastri, McLaren MCL38
Photo by: Sam Bloxham / Motorsport Images
FIAはこれらの追加チェックを導入する際、2024年シーズン中にレギュレーションを変更するつもりはないと説明していた。
なお一般的に静止状態での荷重テストに合格している限り、ウイングはコース上で曲がってしまうことは自由だと思われているが、技術指令TD34という形でFIAは「二次パラメーターによって構造特性が変化する設計」を合法とみなさないと示している。
またFIAは「いかなる部品も無限に硬いわけではない」とし、テストで荷重が加えられた際のわずかなたわみ(変形)を許容するレギュレーションを設けている。
2024年シーズンのF1ではマクラーレンが躍進し、メルセデスもパフォーマンスを上げつつあるが、その要因のひとつがこのフレキシブルウイングだと見られている。
FIAはこのフロントウイングの監視はアゼルバイジャン、そしてシンガポールGPで引き続き行なっていくとしている。
「ベルギーGP以降、FIAはFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)の公式カメラでは見ることのできないフロントウイングの領域をとらえるFIA指定のビデオカメラを使用し、動的挙動を評価するため、FP1及びFP2セッションで追加データを取得している」
「各チームが異なるタイプ(低、中、高、超高ダウンフォース)のサーキットでFIA指定のカメラを使用することを義務付けており、この作業は少なくともシンガポールGPまで続けられる」
「これによって、FIAは状況を最も客観的に把握し、コース上で見られる様々なダイナミクスのパターンの違いを定量化することが可能な、膨大なデータベースを確保することができる」
なおアゼルバイジャンGPでは、マクラーレンのリヤウイングもフレキシブルになっているのではないかという疑惑も発覚。このリヤウイングに関しても、今後の議論の的となるかもしれない。
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