レッドブルF1代表、文句なしのサウジ”制圧”に「ペレスのベストレースだ!」意見の行き違いも”チーム・ファースト”が最重要
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、F1サウジアラビアGPを制したセルジオ・ペレスにとって今回のレースが「ベストレースだった」と評価している。
Sergio Perez, Red Bull Racing, 1st position, is interviewed by David Coulthard in Parc Ferme
Glenn Dunbar / Motorsport Images
ジェッダ市街地サーキットで行なわれたF1サウジアラビアGPを制したレッドブルのセルジオ・ペレス。チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、今回のレースをペレスの「ベストグランプリだ」と評価している。
予選でポールポジションを獲得したペレスは、決勝レーススタートでフロントロウに並ぶフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)に先行を許すも、レース序盤で首位を奪取。セーフティーカー明けも首位を堅持した。
チームメイトのマックス・フェルスタッペンは、予選Q2でドライブシャフトのトラブルに見舞われ15番手からのスタートも、レース中盤には2番手まで回復。セーフティーカー出動でタイム差が縮まったこともあり、5秒前のペレスを追いかけた。
その後はファステストペースで飛ばすフェルスタッペンに対してペレスも抵抗し、一進一退のラップタイムバトルが勃発。最後までペレスがフェルスタッペンを寄せ付けず、トップチェッカーを受けた。異次元のペースで飛ばす2台に後続は手も足も出ず、レッドブルが開幕戦バーレーンGPに続いてワンツーフィニッシュを果たした。
ペレスはサウジアラビアGPを制したことで通算勝利数を5に伸ばした。初優勝のサクヒールGPを除くと、残り全てを市街地サーキットで収めていることから、ホーナーはペレスの”得意分野”だと喜びながらに語った。
「(フェルスタッペンが)15番手から2位まで回復したのは見事だったが、正直に言って今回はチェコ(ペレスの愛称)のベストグランプリだったと思う」
そうホーナーは語る。
「特にセーフティーカー明けのふたりは、全力で走っていた。あの時点での後続との相対的なペース差は歴然だったね」
「彼は決まってこういうサーキットを得意にしている。マシンにも満足しているようで、自信に満ち溢れている」
「チェコが本当にトップクラスのパフォーマンスを発揮するのを我々はこれまでも目にしてきた。昨年のシンガポールGPを思い出してみて欲しい。アゼルバイジャンGPはいつも得意にしているし、昨年のモナコGPでも優勝している。彼は本当に市街地サーキットが好きみたいだね」
Max Verstappen, Red Bull Racing, 2nd position, Sergio Perez, Red Bull Racing, 1st position, Fernando Alonso, Aston Martin F1 Team, provisionally 3rd position
Photo by: Zak Mauger / Motorsport Images
なおレース終盤、プッシュし続ける中でフェルスタッペンとペレスはそれぞれにマシンの違和感を訴えた。2番手を走るフェルスタッペンは予選で発生したトラブルに続いてドライブシャフトの異音、ペレスはブレーキペダルの感触に関して懸念をチームに伝えていた。
グランプリ初日にはペレスに機械系トラブルが発生しており、チームとしては度重なるトラブルの可能性に肝を冷やしたという。
「グランプリで一番心配だったのは、残り15周くらいでマックスから『高速域で甲高い音がする』という無線が入った時……予選で起きたドライブシャフトのトラブルを考えたら、気持ちが沈んだよ」とホーナーは語る。
「ただ、手元にあるデータをチェックして、(ファクトリーがある)ミルトンキーズでも全てを確認した結果、全てのパラメータにおいて異常は見つからなかった。そして、彼らは再びプッシュを始めたのだ」
なお、ペースを抑えようとチーム側が目標ラップタイムを指示したのは、ドライブシャフトの異常に関する懸念が浮上した時のみだとホーナーは説明する。
「ペース管理について議論したのは、ドライブシャフトの問題が持ち上がった時だけだ。その時は、『よし、2台ともペースを落とそう』となった」
「ただ、データ上では何も(異常が)見えないことが明らかになると、すぐにマシンを”開放”した」
チームがトラブルに関してチェックを行なう間、フェルスタッペンは攻めの手を休めることなくペレスとのタイム差を縮めにかかった。これを受けてペレスは無線を通して「理由もなくプッシュしている」とチームに訴えたが、この時ペレスは頻発する信頼性トラブルに関して懸念を抱き、不必要にリスクを取ることはないと考えていたという。
ペレスとフェルスタッペンの意見がすれ違う中で今後も互角の勝負を繰り広げれば、緊迫した場面も自ずと増えてくるだろう。現在のグリッドでは敵なしのレッドブルにとっては、チーム内不和の解消が今季最大のテーマになるのではないか、そうホーナーに尋ねると彼は次のように答えた。
「我々は以前から一緒に仕事をしており、とても成熟したふたりのドライバーを擁している」
「レース前にはこのシナリオについて話し合っていて、『今日のレースは自由だ』と話していた。しかし、チーム・ファーストでお互いを尊重し、自分がドライブしているマシンを尊重し、最大限のポイントを持ち帰ることが鉄則だ。そして今回、彼らはそれ通りにレースをした」
Share Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。