レッドブルF1代表、予算上限額引き下げにも「恐れるべきことじゃない」
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、F1に予算制限が導入されることについて、何も恐れることはないと語る。


先日、世界モータースポーツ評議会(WMSC)で、F1の予算上限額引き下げと、レースの接戦化を目指した、一連のレギュレーション変更が承認された。
この変更が承認されたことにより、当初は1億7500万ドル(約192億円)とされていた2021年シーズンの予算上限額が1億4500万ドル(約159億円)に引き下げられた。その後2020年には1億4000万ドル(約153億円)、さらにその翌年には1億3500万ドル(約148億円)へと段階的に引き下げられていく。
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このような大きな支出制限が課されると、特にビッグチームにとっては打撃になる。一方で小中規模のチームにとっては、トップグループとの差を縮める一大チャンスということになる。
レッドブルは、勝つことがより難しくなるかもしれないレギュレーション変更をなぜ受け入れたのか? それについて尋ねられた同チームの代表であるクリスチャン・ホーナーは、motorsport.comに対して次のように語った。
「ビジネスにとって何が正しいことなのかを、考えなければならないと思う。そして時には、自己の利益がスポーツの利害を上回ることもある」
「私はこれについて、全体的な見方をした。そして最終的には、最高のモノは常にトップに立つと私は信じている。したがってレギュレーションがどうであれ、出来る限りの競争力を確保できるかどうかは、我々次第なのだ」
「我々はF1で長年にわたって成功してきた。そして、このテクニカル、スポーティング、ファイナンシャルの各レギュレーション下でも、もう一度それを実現しなければいけない」
予算上限額が引き下げられることにより、ビッグチームはスタッフを解雇して支出を抑える必要が出てくる。しかしホーナー代表曰く、レッドブルの場合はF1以外のプロジェクトに人員を移動できると考えているようだ。
「必然的に、チームの形に影響を与えることになるだろう。でも、他の活動もある」
そうホーナー代表は語った。
「他にも、相乗効果があるプロジェクトもある。そして我々は高度な技術を持っていて、その活動において成長を遂げている」
「人材は我々にとっての最大の資産であり、可能な限り多くの仕事を守れるように務める」
予算上限の引き下げは、短期的には頭痛の種になるだろうとホーナー代表は認めるが、今回の変更は、スポーツ全体にとってはプラスになるはずだと考えている。
「それは、チームの支出を保護する」
「収益の面については、まだ整理すべき部分がある。しかし支出については大幅に削減され、コントロールされていると思う」
「今後5年間の計画により、F1は外部からの投資、投資家、スポンサーにとって、より魅力的なモノになるだろう」
「それがうまくいけば、いくつかの小さいチームを守るのにも役立つと思う。そして、この新しいテクニカルレギュレーションにより、より接戦のレースが実現することも願っている。それが目標であり、意図していることなんだ」
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