レッドブル、メルセデスのリヤウイングに抗議する準備アリ「我々は公正な戦いをしたいだけだ」
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、メルセデスがブラジルで使ったリヤウイングをそのまま使い続けることになれば、シーズン最終レースで抗議するだろうと語った。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、メルセデスが使っているリヤウイングの合法性を疑問視。彼らがブラジルGPで使ったリヤウイングを使い続けることになれば、シーズン最終戦で抗議する可能性もあると言及した。
ホーナー代表は、メルセデスの直線スピードの速さについて、”トリック”リヤウイングを使っているのではないかという疑念を繰り返し述べてきた。その疑念は今も解消しておらず、今もメルセデスW12のリヤウイングを注視しているという。
メルセデスはブラジルGPで圧倒的なパフォーマンスを披露。特にルイス・ハミルトンは、予選結果から除外され、スプリント予選レースで最後尾スタートとなりながらも、猛烈な追い上げを見せて優勝を手にした。
このパフォーマンスを可能にしたひとつの要因は、圧倒的なまでのストレートスピード。そのスピードは”異常”だったと、ホーナー代表は語る。
「マシンが(レギュレーションに)適合していないと思われる場合には、抗議することになるだろう。メキシコとブラジルで見た直線スピード……つまりブラジルは、普通の状況ではなかったと、誰もが考えるのではないかと思う」
「メルセデスは新しいエンジンで、確かにパフォーマンスが向上している。しかし時速27kmもの差があるし、リヤウイングはエンドプレートのマーク(傷跡)から考えれば、曲がっている……」
「何が起きているのかは、我々にとっては非常に明確なことだ。そしてもちろん、マシンがレギュレーションに準拠していることを確認する責任は、FIAにある。そうではなく、ライバルチームがレギュレーションを遵守していないと思った場合には抗議することになる」
さらにホーナー代表は次のように付け加えた。
「我々は引き続き状況を注視していく。そして今週末に何が起きるのか、ということ次第だろう」
「このサーキットにだけ当てはまるモノではない。多くの部分で、今後登場するふたつのサーキットにも関係があるからだ」
「メルセデスはシーズンを通して、我々のマシンを注視してきたと確信している。そして我々も、同じようなことをしている」
「とにかく私は、ここが平等な戦いの場であることを確認したいだけなのだ」
「もしここで同じような状況が見られれば、我々は抗議することになるだろう」
一方で対するメルセデスのトト・ウルフ代表は、マシンの合法性に問題があるとは考えていないと語る。
「私はずっとそう言ってきたと思う」
「そうやって戦うことで、ライバルが有利になるということを避けようとしている。誰かに何かを言われて懐疑的になっているのだろう。そしてそれが、根本的な原因であることを期待しているはずだ」
「我々はこのウイングに、14回も検査を受けた。FIAには、このウイングに関する全ての図面もある。レッドブルが期待しているようなことはないよ。パーツを切断して、送ったっていい。ミルトンキーンズに喜んでお送りするよ」
なおこの発言は、FIAの公式会見で行なわれたもので、ホーナー代表とウルフ代表が揃って出席。ある種の緊張感が高まっていた。
そんな中でホーナー代表は、ウルフ代表に次のように直接語りかけた。
「ではリヤウイングの翼端板のスコアマークについてはどう説明するんだい?」
それに対して、ウルフ代表は「許される範囲内だと思う。だから、あれでいいんだ」と答えた。
その後、ふたりの発言は徐々にヒートアップしていった。
「違法なエンジンやリヤウイングを搭載したマシンで、コースに現れるチームなどないと思うよ」
そうウルフ代表は語った。
「F1はその点でかなり透明性が高くなっている。もし見ただけで違法なのが分かるような決断をチームが下したとしたら、それは狂っているだろう。100%ね」
一方でホーナー代表は、次のように語った。
「我々のマシンは、レギュレーションに準拠しているだろうか?」
「それは間違いない。特にハンガリーGP以降に見られる、メルセデスのストレートスピードの向上について、懸念があるだろうか? 実際に、この数レースでの伸び方は飛躍的なモノだった」
「このルールは、複雑なレギュレーションの一部だ。従って我々はFIAに大きく頼っている。FIAは絶対に公正だと信じているからね」
「今シーズン最後の数レースは、公正な戦いでありたい。誰もがスチュワードルームに行ったり、控訴裁判所に行くべきではなく、コース上で戦うべきなのだ」
「我々は最後の数レースに参加し、マシンが厳重に監視され、完全にレギュレーションに準拠していることを確認したいのだ。危ういことが多すぎたからね」
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