憂鬱な週末が一変。レッドブル代表、波乱のハンガリーGP振り返る「メカニックを信じていた」
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、ハンガリーGPのスタート前にマックス・フェルスタッペンがクラッシュを喫した原因について明かし、週末を振り返った。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
F1第3戦ハンガリーGPで、マックス・フェルスタッペンが2位、アレクサンダー・アルボンが5位を獲得したレッドブル。しかしチームにとっては、スタート前から波乱の展開が待っていた。
フェルスタッペンは、ウエットコンディションだったレコノサンスラップでマシンの挙動を乱し、ウォールにクラッシュ。フロントウイングと左フロントサスペンションにダメージを負ってしまったのだ。レース出場すら危ぶまれる事態だったが、メカニックたちはグリッド上で破損箇所を修復し、スタートに間に合わせるという驚くべき仕事をやってのけた。
メカニックたちの仕事に応えたフェルスタッペンは好スタートを見せ、7番グリッドから3番手まで浮上。その後も好走し、メルセデスのバルテリ・ボッタスを抑え2位でレースを終えた。
フェルスタッペンのクラッシュの原因について、チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、フェルスタッペンが路面のグリップレベルを誤って判断し、アクセルを全開にしたことで挙動が乱れたのだと明かした。これは、ルーティーン作業の一部である8速ギヤのシンクロ作業を行なうため、必要なことだったという。
ホーナーは、グリッド上での素早い修復作業と、フェルスタッペンの素晴らしい走りが、チームにとって憂鬱だった週末を一変させたと付け加えた。
「私はモニターでアウトラップを見ていて、マックスがターン6~7でワイドに走るのを見た」
そうホーナーはレッドブルのコラムで語った。
「彼はグリップがどこにあるのかを突き止め、ターン12への下りで8速ギヤのシンクロ作業をしようとしていた。つまり、そのためにはアクセル全開である必要があった」
「サーキットは彼が思っていたよりも滑りやすく、タイヤはとても冷たかった。彼がバリアに突っ込んだのを目の当たりにした時、誰もそれを信じられなかった」
「幸いにも、彼はなんとかしてエンジンを作動させ続け、バリアから出た。ダメージがどれほど深刻なのか分からなかったため、彼をピットレーンに呼び込むかどうかを迅速に決定する必要があったが、彼をグリッドに行かせた。修復作業が時間までに終われば、グリッドポジションを失わずに済むからだ」
ホーナーは、素晴らしい修復作業を見せたクルーたちを信頼していたと語り、改めて彼らを称賛した。
「奇妙なことに、私はそれについてストレスを感じていなかったんだ。我々のメカニックなら修復ができると感じていた」
「タイトにデザインされたクルマの作業を限られたスペースで行なうには、素晴らしいピアニストのように指を動かすことができなければいけない」
「グリッドを離れた後、他のチームのメカニックも我々のメカニックに拍手をしていた。それはチームワークの縮図だった。全員がシンクロして作業にあたり、時間内に作業を終えてみせたんだ」
「彼らはガレージで興奮していた。もちろん、彼らはピットストップを担当する者たちであり、落ち着く必要があった。そして、3レース連続で2秒以下のピット作業を行なったんだ。これはこのレースで最速だった。驚異的なチームパフォーマンスだった」
ハンガリーGPのレース前まで一貫性を見い出せていなかったことから、チームにとって良い週末になっていなかったと、ホーナーは認めた。
「ハンガリーは通常、我々が好調なトラックだが、今回の金曜日は海で走っているような感じだった。メカニックが門限を破って変更を加えたが、それでもクルマは期待通りに機能せず、ドライバーは予測できない特性に苦しんでいた」
「また、気象条件の変化により、セッション間での比較などの機会が減り、それが我々の進歩を妨げた」
「予選でグリッド7番手と13番手に沈み、正直なところかなり憂鬱な夜を過ごした。誰もが頑張って働いているにも関わらず、何もかもがうまくいかない週末だと感じていた」
「だが我々のチームについてひとつ確信できるのは、全員が決して諦めずに戦い続けるということだ」
ホーナーは、フェルスタッペンが見せた素晴らしいレースは、彼がドライバーとして成熟した証だと話した。
「我々は気を取り直して日曜日に臨んだ。マックスがウォールにヒットした時の気持ちは想像できるだろう。しかし、そのインシデントを乗り越えると、ドライバーたちは素晴らしい仕事をし、クルマは予想よりも優れたパフォーマンスを発揮した」
「マックスはインシデントのことを頭の中から追い出した。それは、彼が本当に成熟したドライバーになった証だった。そしてアレックスも冷静に、経験豊富なドライバーたちと戦い、追い抜いたんだ」
ホーナーは、今季のマシン『RB16』はまだまだポテンシャルを秘めていると考えており、問題を解決してメルセデスと戦うと意気込んだ。
「競争力のあるクルマを開発したメルセデスに敬意を表する。我々は彼を捕まえるために作業をしなければならない。チーム全体にとってそれが焦点だ」
「我々は抱えている問題に対処する必要があるが、RB16は非常に優れたクルマの素質を備えていると思う。ハンドリングの問題を解決し、その完全なパフォーマンスを引き出す必要がある」
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