レッドブルF1、来季ドライバーに角田裕毅よりもローソン起用か。新人コラピントへの興味低下で道開けた?
RBのリアム・ローソンは、チームメイトの角田裕毅やウイリアムズの若手フランコ・コラピントを抑えて、2025年のドライバーとしてレッドブルから指名を受ける可能性が高いと見られている。
Liam Lawson, RB F1 Team
写真:: Red Bull Content Pool
レッドブルが、今季ウイリアムズから衝撃的なF1デビューを果たしたフランコ・コラピントへの興味を失ったことで、姉妹チームRBのリアム・ローソンが昇格の切符を得ることになりそうだという見方が強まっている。
レッドブルは今年の6月、セルジオ・ペレスと2年の契約延長にサインしたものの、その後のペレスは著しい不振に陥った。その状況に決心したか、チームの首脳陣は最近になって、今週末のアブダビGP限りでペレスを解雇することを示唆する発言を繰り返している。
アブダビGP後の月曜日にはチーム内で会議を行ない、その結果が株主に提示され、そしてレッドブルとRBの2025年ラインアップが決定するという。つまりこの日に、ダニエル・リカルドが離脱した2019年以降安定しない、マックス・フェルスタッペンの隣に並ぶセカンドシートの将来をどうするかが決定される。
ローガン・サージェントの後任としてシーズン途中にウイリアムズからF1デビューを果たしたコラピントは、持ち前のスピードと姿勢でパドックを沸かせた。適応期間を必要とせず、母国アルゼンチンでスターとして脚光を浴びるプレッシャーにも対応可能と見られるコラピントのパフォーマンスは、ウイリアムズ以外も含め、様々な方面から注目を集めた。
既にウイリアムズは、来季以降のラインアップをアレクサンダー・アルボンとカルロス・サインツJr.で固めており、コラピントが来季もウイリアムズのドライバーとして走り続けるのは不可能な状況であった。そのため、まだドライバーが決まっていない他チームが獲得に動いた。
レッドブルもそのひとつ。しかもRBを飛び越え、シニアチームにコラピントを迎え入れるためウイリアムズと交渉に入った。コラピントは、レッドブルのセカンドシートに座るドライバーとしての条件をいくつか満たしていたのだ。ただこの交渉では、ウイリアムズが需要の高いリザーブドライバーとなるコラピントを放出する上で高額な移籍金を求めたと考えられている。
しかし、コラピントがサンパウロGP、ラスベガスGPと相次いでクラッシュを喫したことで経験不足が露呈。レッドブルは他チームのジュニアドライバーに高額な移籍金を払うことが賢明かどうか、再検討を行なった。
レッドブルはこれまでも、自陣営以外のドライバーに目を向けることを嫌ってはこなかったが、それはその選択肢が手持ちのドライバーよりも明らかに優れている場合に限られる。
The damaged car of Franco Colapinto, Williams FW46
Photo by: Simon Galloway / Motorsport Images
motorsport.comの調べでは、ラスベガスGP予選での不必要な“50G”クラッシュを喫した瞬間に、コラピントのレッドブルでのチャンスは全て消え去ったという。カタールGPの際、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコも、コラピントが「候補から外れた」ことを認めた。
レッドブルがコラピントの起用を検討したもうひとつの理由は、アルゼンチンからの商業的な後ろ盾だった。これは、ペレスを解雇することによって失うメキシコからのスポンサーシップの損失を相殺できるモノだった。
ただペレスが低迷したことで、レッドブルはコンストラクターズランキング3番手に転落。これによって、ランキングに応じてチームに支払われる分配金の額が減少することが確実となった。この額は、”ペレス関連”のスポンサー収入では補えないほどのものだと言われる。その結果、ミルトンキーンズのスタッフは多額のボーナスを逃すこととなり、ファクトリーの士気が下がったこともマルコは認めた。
そのためレッドブルは、即戦力として活躍でき、安定して多くのポイントを獲得できる可能性のあるドライバーを選ぶことになると見られている。レッドブルがコラピントの起用を選ばなかった理由はそこにある。そしてレッドブルは、RB所属の経験豊富な角田裕毅ではなくローソンを最有力候補だと考えているようだ。
角田はこれまでのチームメイトを相手に印象的な速さを見せ、予選でもローソンをわずかに上回っている。
この2シーズンで明らかな成長を見せ、ホンダからの手厚いサポートも受けている角田。しかしレッドブルのシートというグリッド最前線でのプレッシャーに晒された際の一貫性や姿勢、技術的な能力が備わっているかということについて、レッドブルは疑念を持っているとも言われる。ただ、これを払拭するために角田にできることはない。
Yuki Tsunoda, RB F1 Team
Photo by: Red Bull Content Pool
ローソンはそうした領域で、角田よりも良い印象を植え付けることができたと考えられている。昨年、負傷したダニエル・リカルドの代役を務め好成績を残しながらも、リカルドが復帰した後はリザーブドライバーに戻らざるを得なかった際に見せた忍耐強さも、それを後押ししている。
レッドブル昇格したならば、ローソンはコンスタントにレースで勝てるドライバーであることを証明する必要があるだろう。しかしレッドブルが必要としているのは、フェルスタッペンと適度な距離を保ちながらコンスタントに結果を残し、開発を進めることができるドライバーだ。その点でローソンは有望視されている。
なおFIA F2で上位で争うアイザック・ハジャーが、F1に昇格のチャンスを掴む可能性も高まっている。ハジャーはアブダビで、既に来季ザウバーからF1デビューを果たすことが決まっているガブリエル・ボルトレトとF2タイトルを争い最終決戦に挑む。そのアブダビGPの週末には、フェルスタッペンのマシンでFP1にルーキー枠として出走する予定だ。
サンパウロGPでmotorsport.comの取材に応じたハジャーは、これまで3回のFP1セッションを担当したものの、走行自体がほんのわずかだったとして、ステップアップの準備が完全に整っているかどうかを知るためにはアブダビでの走行が必要だと主張していた。
ハジャーはパドックでは、“角田2.0”と目されている。つまり、将来レッドブルのドライバーになるために証明すべきことが残っているのは確かだ。またレッドブルは、今季のFIA F3で印象的なルーキーシーズンを送り、来年はF2にステップアップするアービッド・リンブラッドの動向にも注目している。
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