ペレスのパフォーマンスは、フェルスタッペンの歴代チームメイトと比べてどうなのか? 予選データを基に考察

レッドブルのセルジオ・ペレスの不振ぶりが指摘される昨今。彼のパフォーマンスはマックス・フェルスタッペンの過去のチームメイトと比べるとどうなのか?

Max Verstappen, Red Bull Racing, Sergio Perez, Red Bull Racing

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 セルジオ・ペレス(レッドブル)が不振に陥っている。今季序盤戦はバーレーン、サウジアラビアで2位に入り、真のドライバーズサーキットと言える鈴鹿での日本GPでも予選でマックス・フェルスタッペンとコンマ1秒差以内の僅差につけるなど、好調な滑り出しを見せていたが、直近5レースでの最高位はオーストリアGPでの7位。イギリスGPでは無得点に終わるなどしたため、改めて更迭の可能性が取り沙汰されている。

 ペレスは、フェルスタッペンのチームメイトとして安定した成績を残せるサポート役を探していたレッドブルに見出され、2021年に加入。以来、3シーズンで5回の優勝、25回の表彰台を記録してチームのタイトル連覇に貢献してきた。

 それまでのレッドブルは、ピエール・ガスリーやアレクサンダー・アルボンといった若手ドライバーをトップチームに起用したが、フェルスタッペンに差をつけられる厳しいレースが続いた。そのためレッドブルは、経験豊富なベテランであるペレスを選んだのだ。

 確かにペレスの起用は一定の成功を収めたように見えるが、フェルスタッペンがレッドブルのマシンを使いこなせている一方で、ペレスはそのピーキーなマシンから最大限の力を引き出すことに苦労し、フリー走行で快適なバランスを見つけられずに以降のレースウィークを難しいものにするというケースが見受けられる。

 前述のとおり今季のペレスは、序盤戦でフェルスタッペンに次ぐ2位表彰台を3回獲得。レッドブルが望むような仕事をこなしていたため、それが2026年までの契約延長に繋がったと言えるだろう。ただマイアミGP以降は、これまでにも見られたようなシーズン中盤特有のスランプが再発している。

 先日行なわれたイギリスGPでも、フェルスタッペンが常に優勝争いの最前線にいた一方で、ペレスはスピンもあり予選Q1で敗退。ピットレーンスタートとなった決勝レースでは、ギャンブルがうまくいかなかったこともあり、優勝したルイス・ハミルトン(メルセデス)から2周遅れの17位。今シーズン中にも更迭される可能性もあるのではないかとの噂が急激に高まった。

 では、ペレスの働きぶりはフェルスタッペンの過去のチームメートと比べてどうなのか?

 ペレスのレッドブル加入後の3シーズン半を振り返ると、彼が最もフェルスタッペンに近付いたと言えるのはグラウンドエフェクトカー1年目の2022年だった。この年のレッドブルRB18は開幕時に重量過多に悩まされており、バランスを保つのが難しくなっていた。それが、ペレスがフェルスタッペンに近いパフォーマンスを発揮した一因と言える。特にフェルスタッペンは、RB18デビュー当初のアンダーステア傾向を気に入っていなかったのだが、この問題は徐々に調整されていき、重量が減るにつれてペレスとの差を広げていった。

フェルスタッペンとチームメイトの平均予選タイム差

チームメイト

フェルスタッペンとの平均タイム差

ダニエル・リカルド(2016年)

−0.049秒

ダニエル・リカルド(2017年)

+0.065秒

ダニエル・リカルド(2018年)

+0.107秒

ピエール・ガスリー(2019年)

+0.592秒

アレクサンダー・アルボン(2019年)

+0.634秒

アレクサンダー・アルボン(2020年)

+0.621秒

セルジオ・ペレス(2021年)

+0.564秒

セルジオ・ペレス(2022年)

+0.392秒

セルジオ・ペレス(2023年)

+0.548秒

セルジオ・ペレス(2024年)

+0.629秒

フェルスタッペンとチームメイトの平均予選タイム差(通算)

チームメイト

フェルスタッペンとの平均タイム差

ダニエル・リカルド

+0.047秒

ピエール・ガスリー

+0.592秒

アレクサンダー・アルボン

+0.625秒

セルジオ・ペレス

+0.520秒

 予選におけるフェルスタッペンとのタイム差の平均値を見ていくと、やはり今季はペレスにとって最も難しいシーズンになっていることが見てとれる。フェルスタッペンとのタイム差自体は、昨年や2021年と比べてもそれほど遜色がない。しかし今季はライバルとの戦力差が縮まっているため、リザルト上では今まで以上に順位を落とす羽目となっている。

 次の疑問は、ペレスがフェルスタッペンの以前のレッドブルのチームメイト、特にガスリーとアルボンと比べてどうなのかということだ。

 データを見る限り、フェルスタッペンと僅差のパフォーマンスが出せたのはダニエル・リカルドだけで、そのリカルドが離脱して以来、レッドブルは適切な後任を見つけることができていないと言える。

 当時のリカルドは、レッドブルで自分のドライビングスタイルに合うマシンを見つけ出した一方で、以降新天地で同じようなマシンを追い求めてきたが、うまくいかない日々が続いている。そして当時のフェルスタッペンはF1参戦2年目〜4年目と、まだまだF1でのキャリアを始めたばかりであり、速さは常にあったとはいえ、現在のように超安定した、アンストッパブルな力を得るまでには至っていなかった。

 ガスリーとアルボンは、フェルスタッペンに対して平均して1周コンマ6秒ほど遅かった。ペレスも当初はもう少し接近していたものの、今では彼らと同じ領域になりつつある。

 どちらかといえば、フェルスタッペンのチームメイトであること自体が簡単なことではないのは確かだ。例えばフェルスタッペンはRB20のアキレス腱であるバンピーなサーキットでも安定した結果を出しており、それは彼の特異な能力の賜物とも言える。

 ただ、マクラーレン、フェラーリ、メルセデスといったライバルチームがコンスタントにペレスの前で予選を終えていることを考えれば、レッドブルは信頼できるナンバー2ドライバー探しで振り出しに戻ったとも言える。

 RBのダニエル・リカルドはパフォーマンスに安定感がなく、成長を見せた角田裕毅はクリスチャン・ホーナー代表が起用に消極的だったことも手伝い、ペレスは来季以降のシートを得ることに成功した。しかし、カルロス・サインツJr.(フェラーリ)のような実力派ドライバーに目を向けることもなく、ペレスで安全策を採るという選択はすでに痛手を負い始めている。

 ライバルがお互いにポイントを奪い合っているということもあり、レッドブルは未だコンストラクターズランキングでライバルをリードしている。34歳のペレスは、このトンネルから自力で脱出することはできるのだろうか?

 

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