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分析

空力開発ハンデキャップ導入へ……チーム間のパフォーマンス差削減に繋がるか?

F1の将来を守るための話し合いが長く行なわれてきたが、今週水曜日(5月27日)にFIA世界モータースポーツ評議会が変更を承認……これによりF1は、新たな一歩を踏み出していくことになった。

Daniil Kvyat, AlphaTauri AT01, leads Valtteri Bottas, Mercedes F1 W11 EQ Power+

Daniil Kvyat, AlphaTauri AT01, leads Valtteri Bottas, Mercedes F1 W11 EQ Power+

Mark Sutton / Motorsport Images

 FIAの世界モータースポーツ評議会(WMSC)は5月27日、2021年以降のF1のスポーティング、テクニカル、ファイナンシャルの各レギュレーションの変更を承認した。これにより、コストを削減し、より持続可能なF1への道が、切り開かれることになった。

 議論された中で最も注目を集めたのは、予算上限額の削減である。2021年の予算上限額は、当初予定されていた1億7500万ドル(約188億円)から1億4500万ドル(約156億円)へと引き下げられ、翌年以降段階的に引き下げられることになっている。これにより支出を削減するだけでなく、より平等な戦いが繰り広げられるようになることが目指されている。

 また2021年からは、空力開発のハンデキャップ制度も導入される予定だ。これは、前年のランキングによって、空力開発のための風洞およびCFDの稼働時間を制限するというモノ。上位だったチームは少なく、下位だったチームは多く開発時間を確保することができるようになり、パフォーマンス差を削減することが狙われている。このようなハンデキャップとも言えるシステムを導入するのは、F1では初めてのことだ。

 チームは現在、週に65回の風洞実験を行なうことができる。しかし2021年からは、基準レベルが1週間あたり40回に削減される。

 そしてスポーティングレギュレーションにより、1年のうち空力テストを実施できる期間(ATP)が設定された。このATPは1回あたり8週間となっており、年に6回のATPが設けられる。

 各ATPでの基本レベルは、風洞占有時間が400時間となり、そのうち80時間のみ風を当てることができるという。1週間あたりに換算すると、毎週50時間風洞を使い、10時間稼働させることができるということになる。

 この基準レベルは、2020年シーズンのランキング5位のチームに適応されることになり、上位になるにつれ、その稼働回数と時間が減らされていく。2020年のチャンピオンチームは、5位のチームの90%しか風洞を使うことができない。一方でランキング下位のチームはこの稼働可能回数と時間が増やされていき、最下位は112.5%の時間を開発に充てることができるようになる。

 ただ、2022-2025年はこの差がさらに拡大。基準レベルはランキング7位に設定され、前年王者となったチームは、この基準の70%しか風洞を使用できない。一方、最下位のチームは115%であり、前年王者はかなりのハンデを背負うことになる。

 2019年のコンストラクターズランキングで考えると、最下位だったウイリアムズは、2021年の場合はメルセデスよりも周に9回も多く風洞実験を行なうことができることを意味する。また、2022〜2025年は、週に18回も多く風洞を使うことができるようになる。

 このように、開発時間と回数の差をつけることにより、トップチームのパフォーマンスを削ることが目指された今回のレギュレーション。さて、どのように機能するだろうか?

コンストラクターズ順位

各ATPの空力開発可能回数・時間の割合(2021)

風洞実験実施可能平均回数/週(2021)

各ATPの空力開発可能回数・時間の割合(2022-2025)

風洞実験実施可能平均回数/週(2022-25)

1位

90%

36

70%

28

2位

92.5%

37

75%

30

3位

95%

38

80%

32

4位

97.5%

39

85%

34

5位

100%

40

90%

36

6位

102.5%

41

95%

38

7位

105%

42

100%

40

8位

107.5%

43

105%

42

9位

110%

44

110%

44

10位以下

112.5%

45

115%

46

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