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F1メカ解説|本当はミニDRSを使いたかったのに……使用を制限されたマクラーレン、ラスベガスを超低ダウンフォース仕様でしのぐ

マクラーレンは、今季途中で話題となった”ミニDRS”を、ラスベガスGPでは使用できなかった。そのため、別の解決策を採らなければならなかった。

Matt Somerfield Giorgio Piola

編集: 2024/11/28 9:14

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McLaren MCL38  rear wing detail, Las Vegas GP

 先日行なわれたF1ラスベガスGPでは、マクラーレンが大敗を喫した。後半戦では最も高いパフォーマンスを発揮してきたマクラーレンにとっては、意外な結果と言えるかもしれない。

 このラスベガスGPでマクラーレンが選んだリヤウイングは、興味深いものだったと言える。今シーズン中盤に使われ、大きく話題となった”ミニDRS”を、使いたくても使えない、初めてのグランプリだったからだ。

 マクラーレンは夏休み明けに、レギュレーションに完全に準拠しながらも、負荷がかかった時にだけフラップとメインプレーンの隙間が広がる、フレキシブルに動くデザインのリヤウイングを採用した。

 このリヤウイングは”ミニDRS"と呼ばれ、必要な箇所ではダウンフォースを発揮し、不必要な直線などでは空気抵抗を減らして最高速の向上に貢献するという、魔法のようなリヤウイングだった。

 これにより、オスカー・ピアストリがF1アゼルバイジャンGPで優勝。しかしライバルチームはこのリヤウイングについて抗議し、FIAはコンセプトから徹底的に調査することを強いられた。

 FIAとマクラーレンの間で話し合いが行なわれた結果、マクラーレンはこのミニDRSを使用せず、デザインに変更を加えることに同意することになった。

 もしミニDRSの使用が許可されたままだったならば、マクラーレンは間違いなく、ラスベガスGPでもこのミニDRSを使ったはずだ。長いストレートが多数存在するラスベガスのコースは、まさにミニDRSにうってつけのコースなのだ。

 しかしミニDRSが使えないため、マクラーレンはより明快な方法……つまりマクラーレンが持っている中で最もダウンフォースレベルの低いリヤウイングを使うことを選択した。このウイングは、超高速モンツァで行なわれるイタリアGPでも使われていたウイングだ。

 このリヤウイングが、パーツの存在が許されている領域の中のスペースを、ほとんど取らない形になっている。つまり、最近のトレンドとも言えるスプーン形状のメインプレーンではなく、より直線的でシンプルな形状のメインプレーンとなっている。

 この形状を採用すると、メインプレーンの前端が通常よりも後方に下がった位置に存在することになる。そのため、”スワンネック(白鳥の首)”のような形状をしたリヤウイングのステーも、設計を変更する必要があった。

McLaren MCL38 Las Vegas GP, Italian GP comparison

McLaren MCL38 Las Vegas GP, Italian GP comparison

Photo by: Giorgio Piola

 またマクラーレンは、リヤウイングで発生するダウンフォースを減らすことに対応して、フロントウイングのフラップも削ってきた。

 基本的にはこのフロントウイングはイタリアGPでも使われてものだが、フラップ後端の部分がかなり削り取られている。

 これらの処理により空気抵抗も減り、最高速向上に貢献する。

 またマクラーレンは、フロントウイング翼端板の内側付近の形状も調整。モンツァの時には存在していた金属製のブラケットが、ラスベガスでは取り外された(上の図、赤い矢印の部分)。

 これらの変更は、実に軽微なものに見えるかもしれない。しかしその場所を考えると、フラップと翼端板によって気流の方向や圧力を調製する非常に重要な箇所。気流への作用が変わっている可能性がある。

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