リタイア続きで意気消沈……悩めるF1新人アントネッリ、メルセデスはサポート誓う「自分を責めすぎないことが重要」
印象的なF1デビューを飾ったメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリだが、直近のレースでは厳しい戦いを強いられている。しかしチームは巻き返しを期待している。
Andrea Kimi Antonelli, Mercedes
写真:: Sam Bloxham / LAT Images via Getty Images
イタリア出身の18歳、アンドレア・キミ・アントネッリは2025年にビッグチームのひとつであるメルセデスからF1デビューを飾った。強いスポットライトが当たりプレッシャーもかかる中、経験値不足が露呈しているのかもしれない。
アントネッリ自身は失速を懸念しているが、チーム代表であるトト・ウルフは感覚を取り戻すために手を差し伸べると言う。
ウルフ代表は、フェラーリへ移籍した7度の世界チャンピオンであるルイス・ハミルトンの後任としてルーキーを起用することにはリスクが伴うと何度も認めてきた。
メディアからの関心の高まりや、新しいサーキットへの対応、グランプリウィナーのチームメイト、そして何百万人ものファンの前で仕事を覚えるプレッシャー……こうした大抜擢は、アントネッリがF1に順応する上で、パフォーマンスが上下することを意味する。
ウエットとドライが入り交じるF1デビュー戦オーストリアGPで4位入賞を果たしたアントネッリはペースだけでなく、難しいコンディションへの適応力も証明してみせた。その後中国GP、日本GP、サウジアラビアGPでポイントを獲得。開幕5戦で唯一入賞できなかったのはバーレーンGPの11位のみだ。
その後マイアミGPではスプリント予選でポールポジションを獲得。パフォーマンスの波が落ち着けば、毎度のようにポール争いに加われるようになるのではないか、とも思わせた。レースでの結果は、F1スプリント7位、決勝6位と本人の望み通りにはいかなかったが、それでも全体的はポジティブな週末だった。
少し話は飛ぶが、カナダGPはアントネッリにとって忘れられないグランプリとなった。決勝ではチームメイトのジョージ・ラッセル、レッドブルのマックス・フェルスタッペンに次ぐ3位となり、F1初表彰台を獲得したのだ。
シーズン前半に右肩上がりの成長を見せてきたアントネッリだが、カナダGPの後はそうでもないというのが現状。流れが向かず、本人も苛立ちを隠していない。
Andrea Kimi Antonelli, Mercedes, Toto Wolff, Team Principal and CEO, Mercedes-AMG
Photo by: Mercedes-Benz
「今は全てが上手くいっていないようだ。ポジティブなことを見つけるのは難しい」
雨が入り交じるイギリスGPでレーシングブルズのアイザック・ハジャーから追突されてリタイアを余儀なくされたアントネッリはそう語った。
「正直なところ、あまりハッピーというわけでもない。カナダGP以降、頑張っているけどポジティブなことを見つけるのに苦労しているというのが実情だ」
「何もかも上手くいっていないように感じるし、ただ集中してリセットし、トンネルの先にある光をもう一度見つける必要がある」
フェラーリがアップデートを通じてマシンの戦闘力を引き上げ、メルセデスがフェルスタッペンの来季獲得を熱望しているという噂が絶えないこの時期に、ウルフ代表は合わせて早熟のルーキーをどう立ち直らせるかを考えなければならない。
アントネッリはホームレースのひとつであるエミリア・ロマーニャGPで、地元の友人や家族の前で良い姿を見せようと無理をし、モナコGP予選ではクラッシュを喫し決勝18位とチャンスをふいにした。
スペインGPではアントネッリのマシンに信頼性の問題が発生し、油圧の低下でリタイアを余儀なくされた。カナダGPで復調の兆しが見えたかと思われたが、オーストリアGPでは1周目にフェルスタッペンに接触し、再び調子を落とした。
イギリスGPではその接触の責任を負い3グリッド降格ペナルティを受けたアントネッリだったが、ハジャーの追突を受ける前から、戦略ミスでポジションを落としていた。
Max Verstappen, Red Bull Racing, Andrea Kimi Antonelli, Mercedes
Photo by: Andy Hone / LAT Images via Getty Images
「モントリオール以来、荒れたレースが続いている。この2レースは本当にお粗末だったし、チームの誰もがそう感じている」
ウルフ代表はイギリスGP終了後にそう語った。
「キミにとってもそうだ。チームとしてベースラインに戻る必要があると思う。彼は素晴らしいドライバーだし、彼を起用したのには理由がある。チームとして、自分たちに何ができるのか分かっている。(サマーブレイクまで)あと2レースあるし、立ち直れるように努力する」
「今日も起こったことには納得している。最初のストップは作戦ミスだった。彼をピットに入れるべきではなかった。公平を期すために言うと、彼は経験不足のため、間違った選択だとは言えなかった。不完全な立ち位置に置かれたのだ」
「その後、ハジャーから追突を受けた。それでおしまいだ。今はただ、彼を良い精神状態に保ち、苦しませたり自分を貶めたりしすぎないことが重要だ」
「彼が頑張りすぎているとは思わない。彼は上手くやりたいと思っている。降り掛かってくる情報が山ほどあるのは明らかだしね。そして彼はマシンからベストを引き出そうとしている途中で、『OK、自分がドライブできることは分かった。パフォーマンスを取り戻すために何をすれば良い?』と考えているんだと思う。チームのため、そしてドライバーのために、全ての仕事を単純化する。我々は考えすぎている」
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