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超高速レイアウトのサクヒールGPは、F1史上最短の予選タイムを46年ぶりに更新する?

2020年のF1第16戦サクヒールGPでは、バーレーンのオーバルのような超高速レイアウトが採用されるが、ドライコンディションとなれば、F1史上最短の予選ポールタイムが記録されることになるだろう。

Niki Lauda, Ferrari 312B3

写真:: Sutton Images

 F1はベルギーGP初日の8月28日に、12月に行なわれるバーレーン2連戦の2戦目『サクヒールGP』が、バーレーン・インターナショナル・サーキットの外周を走行するレイアウト、“アウター・サーキット”で争われることを発表した。

 このレイアウトは、通常のグランプリコースのインフィールド区間を丸ごとショートカットし、高速S字コーナーで繋ぐような超高速レイアウトとなる。コース全長はグランプリコースよりも約1.7km短い約3.7kmで、ターン4までは同じレイアウトだが、そこからコースの外周部分に突入し、S字コーナーを抜けた後、最終コーナー手前のロングストレートに合流するような形となっている。予選がドライコンディションで行なわれた場合、ラップタイムは55秒を切ると予想されており、F1史上最短のポールタイムを更新する可能性が高いと言われている。

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 F1の歴史上最も短いポールタイムは、1974年にディジョンで行なわれたフランスGPでフェラーリのニキ・ラウダが記録した58秒79だ。

 当時のディジョンは全長約3.2kmの短いコースで、アップダウンのあるS字コーナーを抜けてホームストレートに戻ってくるという、鈴鹿サーキットの東コースや富士スピードウェイの旧レイアウトに似たようなコースだった。同年のレースではティレルのジョディ・シェクターが1分00秒00というファステストラップを記録しており、こちらもF1史上最短タイムだが、サクヒールGPではこれも更新される可能性が高い。

 ディジョンはそのラップタイムの短さから、コースの長さがF1に適していないと判断され、1977年のレースから全長が約3.8kmに延長された。その年のポールタイムは1分12秒21(マリオ・アンドレッティ/ロータス)となったが、その後のマシン開発やターボエンジンの台頭により、1982年にはアラン・プロストが1分01秒380というポールタイムを記録。これは史上2番目に短いタイムとなっている。

 すなわち、F1の歴史の中でポールタイムが1分を切った例はたった1度だけであるが、2020年シーズンのF1ではコロナ禍によってイレギュラーなことが続いた結果、46年ぶりにその記録を破るチャンスが出てきたのだ。

 以下はF1の歴史で最も短かったポールタイムのランキングである。トップ10にはディジョンの他、南アフリカのキャラミ、オーストリアのレッドブルリンク、アメリカのワトキンスグレンが名を連ねている。

【F1史上最短ポールタイム10傑】

1位 58秒79:1974年フランスGP(ディジョン)/ニキ・ラウダ
2位 1分01秒380:1982年フランスGP(ディジョン)/アラン・プロスト
3位 1分02秒200:1984年フランスGP(ディジョン)/パトリック・タンベイ
4位 1分02秒366:1985年南アフリカGP(キャラミ)/ナイジェル・マンセル
5位 1分02秒939:2020年オーストリアGP(レッドブルリンク)/バルテリ・ボッタス
6位 1分03秒003:2019年オーストリアGP(レッドブルリンク)/シャルル・ルクレール
7位 1分03秒07:1970年アメリカGP(ワトキンスグレン)/ジャッキー・イクス
8位 1分03秒130:2018年オーストリアGP(レッドブルリンク)/バルテリ・ボッタス
9位 1分03秒62:1969年アメリカGP(ワトキンスグレン)/ヨッヘン・リント
10位 1分04秒20:1968年アメリカGP(ワトキンスグレン)/マリオ・アンドレッティ

 

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