【インタビュー】ハースのメカニックが語る、F1を仕事にするための第一歩「とにかく履歴書を送ってみよう」
ハースF1チームでナンバー1メカニックとして働くエリオット・パークスに、その仕事内容や求められるスキルなどを聞いた。
写真:: Haas F1 Team
メカニックとして働く者にとって、F1チームに就職して世界最高峰のマシンに携わるのはこの上なく素晴らしいことであるはずだ。しかし、どうすればその世界に足を踏み入れることができるのだろうか? そしてどのようなスキルや資格などが必要なのだろうか?
今回はそれらを知るため、ハースF1チームでニキータ・マゼピンを担当するナンバー1メカニック、エリオット・パークスに話を聞き、知られざるメカニックの仕事について探った。
ーーあなたの役職は何ですか?
私はニキータ・マゼピンを担当するナンバー1メカニックだ。チームのナンバー2メカニックを監督しながら、製造、信頼性、安全性などマシンのあらゆる面において責任を負う。
ーーどのようにしてメカニックになったのですか?
学校を卒業した後、シルバーストンにあるモータースポーツ・カレッジに入り、実習生としてジュニア・フォーミュラに携わった。実習期間はF3からGP2(現FIA F2)に上がるタイミングで終了し、GP2からF1に移って今に至る。
ーーどんな資格が必要ですか?
何もいらないよ! ただもちろん、何かの足がかりとするために資格をとっておくと役に立つ。例えば(採用の際に)最後のふたりに絞られた時、彼らはそこを考慮するだろう。
Nikita Mazepin, Haas F1
Photo by: Andy Hone / Motorsport Images
ーー学校では何を学ぶべきですか?
学校ではデザイン技術など、技術関連の何かを学んでおくといいと思う。
ーー他にはどんなスキルが役立ちますか?
機械システムに関する知識があると良いだろう。若い頃から自分の自転車をいじったり、修理したり、分解したりするのが一番勉強になるだろう。
ーー実務経験を積むにはどうすれば良いですか?
まずは色んな人に頼みこんで、ただ働きをさせてもらうところから始めるといい。ジュニアフォーミュラのチームはほとんどお金を持っていないことが多いので、それしかないと思う。履歴書を送ってみよう。例えその時点で大して書くことがなくてもだ。そうすることで熱意を示すことができる。
自費で渡航することも厭わない、どんな場所でも寝られることをアピールしよう! それらすべてが貴重な経験になるだろう。
Nikita Mazepin, Haas VF-21
Photo by: Andy Hone / Motorsport Images
ーーレースウィークの1日はどのように過ごしていますか?
いつも朝早くから仕事を始める。金曜日がサーキットに一番長くいるね。ガレージに着いたらまずピットストップの練習をして、簡単な朝食をとった後はマシンに火を入れ、そこから最初のプラクティスまで作業を続ける。
セッションとセッションの間に何をするかは、その時の調子による。調子が良い時はマシンの清掃と給油だけで済むが、そうでない時は次のセッションまで全速力で作業をしないといけない。その後は次の日に向けての準備を行なうが、マシンは大抵ガラッと変わる。作業禁止時間に突入するまでにサーキットを出るために、ゲートに向かって走ることもよくある。
ーーピットストップにおけるあなたの役割は何ですか?
ここ数年、右フロントタイヤのガンマンを務めてきた。そこを担当しているのは、”ゴーサイン”を出すポジションだからだ。
ゴーサインのボタンを押すときは、全員がしっかり自分の役割を果たしたか、安全であるかどうかなどを確認しないといけない。“ゴーサイン”を出してしまったら、もう後戻りはできない。
責任は重大だし、周りの人たちの仕事も信頼しないといけない。ピットストップは頻繁に練習しているので、慣れてくるとその動作が身体に染み込む。しかしうまくいかないことだってある。今年は我々にとっても学びの年になっているが、ポイントを争うようになれば、そのプレッシャーも戻ってくるだろう。
当記事は、Motorsport Jobsの協力により制作。jobs with the Haas F1 Teamを始め、Motorsport Jobs websiteでモータースポーツ界の仕事を探そう。
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