ヒュルケンベルグ、F1復帰戦はマシンダメージで台無しに「タイヤがバターみたいに消耗した」
ハースのニコ・ヒュルケンベルグはF1開幕戦バーレーンGPでフロントウイングに損傷を負った後、タイヤを非常に痛めやすい状態になっていたと語っている。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
F1開幕戦バーレーンGPで、ハースのニコ・ヒュルケンベルグは予選10番手を確保。決勝に向けて期待も高まっていたが、15位という結果に終わった。彼は序盤の接触によるタイヤへの影響が痛手だったと語っている。
10番グリッドからスタートしたヒュルケンベルグは、1周目にエステバン・オコン(アルピーヌ)と接触。それによって一気に14番手にまでポジションを落としてしまった。
その際ヒュルケンベルグは無線で「フロント側が接触してしまったかもしれない。でも大丈夫だ」と伝えていた
エンジニアのデータチェック中にも「ちょっと不運だったけど、今は大丈夫」と伝えており、問題はないのかと思われた。
そしてチームはヒュルケンベルグの1回目のピットインの際に、フロントノーズを交換しないことを選んだ。だが、ハンドリングへの影響が顕在化したことでタイヤを痛めてしまったため、結局26周目の2度目のピットインでフロントノーズを交換することになった。
問題に対応したものの、その後ヒュルケンベルグは結局ポイントを争うことはできず、15位でフィニッシュ。10番手スタートを活かせずにレースを終えた。
「難しいレースだった。特に前半はね」と、ヒュルケンベルグは言う。
「どうも1周目のターン1かターン2でちょっと接触があったみたいなんだ。僕としては本当に気がついていなかった」
「ターン1ではちょっとポジション取りで挟まれていて、僕も皆を避けようとしていたんだ。どうやらそこで接触があって、その結果負った損傷のせいで僕のレースはかなり妥協を強いられた。ダウンフォースを相当失っていたんだ。武器無しで戦争に行くようなものだよ!」
Nico Hulkenberg, Haas F1 Team, on the grid
Photo by: Andy Hone / Motorsport Images
「ちょっとフラストレーションがあったし、フロントウイングからはかなり(ダウンフォースを)失っていたと思う。もちろんグリップもだ」
「そのせいでレース前半はすごく、すごくタフなモノになってしまっていた。タイヤはまるでバターにナイフを入れるみたいに消耗していったんだ」
「レース中盤にこのまま続けても意味は無いと考えて、フロントウイングを交換したんだ。ペナルティでそこからさらに後退してしまったけどね」
ヒュルケンベルグは、前述の損傷によって本来ならレースを通じて学べたはずの情報が損なわれてしまったとも付け加えている。
「レース前半がかなり微妙なモノになってしまったから、話すのも難しいんだ」
ヒュルケンベルグは今回のレースで得た学びについて聞かれると、そう答えた。
「正直に言ってサバイバル、という感じだったし、凄く難しかった」
「ダメージを負って本来よりもダウンフォースをかなり失ったマシンで走っていたんだ」
「新しいフロントウイングと交換するためにピットインしたとき、凄く安心したし、マシンは急に通常の状態に戻っていった。でも既にかなり離されてしまっていたから、リカバリーは困難だった」
「レース前半はマシンが本当の状態じゃなかったせいで、あまり学べなかったんだ。レース後半は学ぶことができた。2週間後(サウジ戦)に向け、学んだことを整理していくよ」
またヒュルケンベルグはF1のレギュラーシートに復帰したことへの気持ちについても聞かれ、次のように答えている。
「正直、凄くハッピーだ。それにエキサイティングだね。長い1年のシーズンの始まりだ」
「もちろん土曜日は凄く良かった。日曜日は最高ではなかったけど、学びもあった」
「最初から全てが上手くいくとは僕も思っていなかった。でも学習の進み方は常に急激なものだし、どんどん学んでいけるよ」
「当然、細かい違いはある。でも結局グランプリは300kmのままだし、マシンも速く、燃料も110kgだ。だから、そんなに違いは無いよ」
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