大クラッシュで負傷したエイトケン、9月にレース活動再開目指す「いつFP1を走るかウイリアムズと話し合っている」
スパ24時間レースでの大クラッシュから回復中のジャック・エイトケンは、9月にはウイリアムズF1でのシミュレーター作業とGTワールドチャレンジに復帰したいと考えている。
Jack Aitken, Williams Racing
Charles Coates / Motorsport Images
7月29日〜8月1日に開催されたスパ24時間レースで、オールージュからラディオンへと続く急激な上り坂の頂上で、エミル・フレイ・レーシックのランボルギーニGT3 Evoに乗るジャック・エイトケンは、他のライバルに追突され、鎖骨と脊椎骨を折る大怪我を負った。
大クラッシュ後、初めて長めの取材に応じたエイトケンは順調に回復していると語り、ウイリアムズF1リザーブドライバーとしてのシミュレーター作業やレース活動への復帰の目処を9月としている。
そして、来週行なわれる鎖骨の手術がレース活動へ復帰するファーストステップになることを彼は願っている。
「気分はとっても良いよ」とmotorpsort.comの取材に対してエイトケンは語った。
「正直言って、いくつか骨を折っていることを時々忘れて、早く立ち上がり過ぎちゃうんだ!」
「背中の骨と鎖骨を折ったことを、何人かの専門家に診てもらっている。色々な情報を得られていて、実際とても役立っているよ」
「一日中座って、いつになったら治るんだろうと考えること自体がかなり辛い。でも悪くはない」
レース活動への復帰は、背中の怪我次第だ。エイトケンは復帰を確実なものにするべく、現在は安静にする必要があり、固定具を着けている。
しかし、9月にはウイリアムズのシミュレーター作業へ戻り、チームのために重要な開発作業をサポートできる状態になっていると彼は考えている。
また、ブランズハッチ(8月28日〜29日)とニュルブルクリンク(9月3日〜5日)で開催されるGTワールドチャレンジの2戦への復帰は難しいと考えられるが、9月25日から26日にかけてバレンシアで開催されるスプリントカップ最終戦への参加は現実的なターゲットだ。
それまでに完全復帰が可能であれば、ウイリアムズでの今季最後となるFP1走行の時期を確定することができる。
「今シーズン中に復帰できるか否かではなく、僕はできる限り早く戻りたいんだ」とエイトケンは語った。
「GTカレンダーの中には、活動休止中に開催されるレースがいくつかありから、僕にとってはかなり厳しいものになると思う。だからそれらのレースを欠場することになるだろうね。でも9月末までにはレース活動へ復帰したいと思っているよ」
「ウイリアムズも、いつ僕がシミュレーター作業に戻ってこられるかを聞いてくるんだ。僕は良い仕事をたくさんできていたけど、(怪我により)残念ながら中断せざるを得なかった。だから9月中には戻りたいと行っているんだ」
「しかももう僕はいつフリー走行1回目を走れるかまで話を進めている。F1カレンダーの状況にもよるけれど、おそらくシーズン終盤のフライアウェイ戦になるだろうね。それまでには万全で望みたいし、(リザーブとして)必要な時にはすぐに乗り込めるようにしておきたい」
#114 Emil Frey Racing Lamborghini Huracan GT3 Evo: Arthur Rougier, Konsta Lappalainen, Jack Aitken
Photo by: SRO
クラッシュの記憶
エイトケンによると、クラッシュ時マシンは2度の追突を受けたにも関わらず終始意識を保っていたため、事故のことは全て覚えているという。
「僕は全部覚えている。頭をどこにも当てずに済んだことは、素晴らしいことだね」と彼は説明する。
「ただクラッシュの後、少しクラクラする瞬間はあった」
「マーシャル達が僕をとても早く(マシンから)引き出してくれたから、良かった。僕が背中に痛みを感じると言うとすぐに、救出時にすべきことをしてくれた」
「その中のひとりが、僕に『意識を保て』と叫んでいたことを覚えている。選択肢は多くなかったが、一時的に意識を失いかけていた。彼らは僕をとても丁寧に扱ってくれた」
衝突後、コース中央でマシンが止まった時の心境や、そう考える時間はあったのかと聞かれたエイトケンは、クラッシュでの要点をいくつか挙げられると語った。
「スローモーションのようになったとは言わないけど、たしかに今クラッシュのことを振り返って考えてみると、1秒1秒起こっていたことが手にとるように分かるんだ」と彼は当時を説明する。
「その瞬間には、物事はとても早く進んだ。オールージュの中央でリヤのグリップを失ったことに気づいて修正しようとしたら、修正舵を当てすぎてバリアに激しくぶつかることに気が付いた。そんな具合だ」
「それでバリアにぶつかった時には既に背中に痛みを感じていたけど、何かする前に後ろから来たフランク(ペレラ/エミル・フレイ・レーシック)が当たった」
「それから、ケビン(エストレ/ルトロニック・レーシック)とダビデ(リゴン/アイアン・リンクス)と何人かが衝突した。それで僕はバリアに当たって、全ての出来事はとても、とても早かった」
「破片が飛び交う中、何が起こっているかを恐ろしいほど認識していた。オールージュの頂上にいて、何台ものマシンが自分に向かってくる。ただ彼らが(エイトケンがいた)コース中央でなく、その脇を通ってくれるよう祈るんだ。そして、それがすぐ終わることを祈るだけさ」
「その瞬間が過ぎた時には、マシンには基本的に何も残ってないことに気が付いた。僕はコースから外れていたし、他のマシンも速度を落とし始めていた。僕の身体はダメージを受けていたけど、そこでようやく少し安堵できたんだ」
Jack Aitken driving the Williams FW43 in Abu Dhabi
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
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