レッドブル圧勝も、パフォーマンスは史上稀に見る僅差……ほんの少しの前進が、大きな成果を生む。ザウバーTDのキー「確実に進歩できる」
ザウバーF1のテクニカルディレクターを務めるジェームス・キーは、2023年はチーム間のパフォーマンス差がごく僅かだったため、来季に向けては”楽観的な見通し”を立てることができると語った。
2023年シーズンのF1をアルファロメオとして戦ったザウバーのテクニカルディレクターであるジェームス・キーは、コンストラクターズランキングでは9位に終わったものの、他チームとの差は非常に小さいため、来シーズンに向けて楽観的な見通しを立てていることを明かした。
ザウバーは2023年限りでアルファロメオとしての戦いを終了。しかしランキングでは、前年の6位から9位へとポジションを落とす結果となってしまった。
しかしその裏でチームは、2026年からアウディのワークスチームとして始動するにあたって、組織強化を進めている真っ只中。その最たる事例が、マクラーレンからキーを獲得し、テクニカルディレクターに就任させたことだろう。
そのキーは、今年最速だったレッドブルと中団グループの差は1.5%であることに注目。つまり、僅かでも進歩を遂げることができれば、非常に大きな価値に繋がる可能性があるとして、2024年に向けた良い兆候であると語った。
「グリッド上は非常に僅差だ」
そうキーは語った。
「実際に数字を追っていかない限り、外からは分からないかもしれない。順位的には、以前と似ているからね。しかしラップタイムを見れば、全体の差は1.5%以内だ。つまり我々全員が、最速マシンの98.5%に達していることを意味している。それよりも差が小さい場合もある」
「それについて強く言うつもりはないが、我々とメルセデスやレッドブルの差を見ると、ほんのいくつかのコーナーか、ブレーキング時のほんの少しの部分にすぎない」
「これは、これまで8位や9位だったクルマと、1位や2位のクルマに見られたような大きな違いとは異なる。ほんの数年前までは、その差は非常に顕著だった。しかし、今では信じられないほど接近している」
「つまり、サーキットとファクトリーの両方で、開発に関する決定やマシンに関する決定が全て正しく行なうことができれば、そこには大きなチャンスがあるということだ」
「誰もが同じ船に乗っているようなものだ。我々がこのポジションに留まらなければいけないと考える理由はまったくない。確実に前進できると信じているよ」
「それを考えると、5位や6位にいても、簡単に10位まで下がってしまう。とても近いんだ。その点においても、我々が前進できると考える、十分な理由がある」
キーは、ザウバーとしてはあらゆる部分でまだ改善する必要があると認めるが、それでも力強い立場からスタートできると考えている。
「基本的な部分は、全て確実に備わっていると思う。だからこそ、すぐにでも改善できる可能性があると思うんだ」
そうキーは語った。
「しかし重要なモノのいくつかが、我々には欠けている」
「そして将来設備投資を増やせるということは、より最先端の重要な設備や、既に優れている既存の設備への投資によって、差を埋めることになると思う。ザウバーの風洞は、伝説的なモノなのだ」
「ただ、たとえばテクノロジーに関しては、やるべきことはある。これらは全て、現在と比較して直接的なパフォーマンスの向上に繋がると思う」
「正直に言って、多くのチームが追いつきつつあると思う。やるべきことが山ほどあることを認識していながら、今のように1.5%以内の差にいるということは、かなり良いことであるし、良い指標だと思う」
「それを超えて、他の分野にも目を向けなければいけない。我々はコンマ数秒を削り取るため、制作側に強く働きかけてきた。そして、もう少し大きなオフィスも必要だ。さらに、検討すべき大きなプロジェクトもたくさんあるのだ」
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