「不振は彼だけの責任ではない」クビサが“休職中”のパディ・ロウを擁護
ロバート・クビサは、ウイリアムズが不振に陥りグリッド後方に沈んでいるのは“ひとりの問題”ではないと考えており、現在F1から離れている最高技術責任者のパディ・ロウを擁護した。
Robert Kubica, Williams and Paddy Lowe, Williams Shareholder and Technical Director at the Williams Racing Team Photo
Simon Galloway / Motorsport Images
現在コンストラクターズランキング最下位のウイリアムズ。その深刻な不振ぶりから最高技術責任者のパディ・ロウが“休職”という形で役職を離れる事態に発展したが、ドライバーのロバート・クビサはこの不振がひとりの責任によるものではないと考えているようだ。
ロウはチャンピオンチームのメルセデスでエグゼクティブディレクターを務めた後、2017年初頭にウイリアムズに加入。2018年型と2019年型のふたつのマシンのデザインを担当し、製造における技術的な指揮もとったが、チームはグリッド最後方に沈んでしまった。
2019年のウイリアムズは前年度よりもさらに競争力が低下。シーズン前テストではマシンの準備が間に合わず3日目にようやく合流。さらに一部のパーツを合法化するためデザイン変更を余儀なくされるなど、踏んだり蹴ったりの状態となり、ロウはシーズン開幕前に“休職”という形でチームから離れている。
クビサはmotorsport.comに対して、チームの問題はひとりによって引き起こされたものではないと述べた。
ロウがウイリアムズで開発の指揮をとったことがチームを悪い方向に導いたかどうかについて、見解を問われたクビサは「自分の中でその答えはあるけど、少なくともひとりの問題ではないと思う。残念ながら、こういう場合は立場が上の人間が責任を負う形になってしまう」と語った。
「もっと大きな集団の問題なんだ。これは先月(3月)に始まったことではないし、成長の過程で起こった問題だ」
「僕たちは昨年も良くない状況にあったが、正直今年は昨年よりも困難だ。昨年の今頃はこれ以上悪くなることはないと思っていた」
昨年のウイリアムズはランス・ストロール(現レーシングポイント)とセルゲイ・シロトキンのコンビで計3度の入賞を記録、コンストラクターズチャンピオンシップで7ポイントを獲得した。しかし、今季は4レースを終えた段階で予選、決勝ともに最後方から脱することができていない。
クビサはさらにこう続けた。
「F1はとても複雑なスポーツで、多くの集団作業を必要とする。ひとりの人間がチームを完全に良くしたり悪くしたりすることはないんだ」
「例えばもし仮に僕たちが昨年トップ争いをしていたとしたら、『パディはどうやって完璧にマシンを機能させているのか?』という疑問が浮かんでいただろう」
「だが決してひとりの問題ではないんだ。ただもちろん、ひとりの人間がチームにいくらか良い影響を与えることはできるので、パトリック(ヘッド)の復帰がこういった状況で助けになると思っている」
「チームの運営には多くの人々が関わっていて、チームが成功するかどうかの命運を握っている」
クビサが名前を挙げたパトリック・ヘッドはウイリアムズの共同設立者のひとりで、ロウの休職後、チームを再編するためにコンサルタントとして現場に復帰した。彼はヘッドについて次のように述べた。
「彼の仕事ぶりや彼がチームにもたらすものは、僕たちドライバーの仕事よりも重要だ」
「僕は彼のことをまだよく知らないが、彼が過去に成し遂げたことに対して本当に敬意を感じている。彼はウイリアムズ、そしてその歴史に大きな功績を残した」
「それ(ヘッドの復帰)はひとえにチームにとってポジティブなことだ。ただ先程も言ったようにひとりで行うスポーツではない」
「彼は確実にその経験と人間性でチームを助けることができる。そしてチームは間違いなく恩恵を受けられると思う」
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