クビアト、ロシア人アスリートの排斥は”不公平”と主張「スポーツの原則に反する」
元F1ドライバーのダニール・クビアトは、ロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシアの選手が様々なスポーツで追放されている現状を不公平だと語った。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
かつてトロロッソやレッドブルでF1を戦ったダニール・クビアトは、ロシアがウクライナに侵攻したことを受けて、ロシアのアスリートが競技から排除されているのはスポーツの原則に反していると語った。
2月28日、国際オリンピック委員会(IOC)はウクライナへの侵攻を開始したロシアや、それを支持するベラルーシの選手や役員を大会から除外するよう各国のスポーツ連盟に勧告した。
モーターレーシングの統括団体であるFIAはIOCの公認連盟であり、3月1日に世界モータースポーツ評議会の緊急会合を開いて、どのような対応を取るべきかを議論した。
IOCの勧告に従ってロシア人アスリートの出場を認めないと表明したスポーツも出てきているが、FIAはロシアやベラルーシのドライバーが中立的な立場でレースに出場することを認めることを発表した。
ウクライナ自動車連盟のレオニード・コスチュチェンコ会長はFIAに対し、ロシアとベラルーシが発行するライセンスでのレース出場を停止することを求めていたこともあり、ロシア人ドライバーがFIAの公認イベントから排除される可能性も十分にあった。
そうなっていた場合、ハースF1のドライバーであるニキータ・マゼピンが出場できなくなり、今季はG-ドライブからWEC(世界耐久選手権)のLMP2クラスに参戦する予定となっているクビアトも競技から締め出される危険性があったのだ。
クビアトはFIAの発表を前に、自身のソーシャルメディアにメッセージを投稿。各スポーツの統括団体が行動を起こすことに疑問を呈しながら、ウクライナでの出来事が平和的に解決することを望むと表明した。
「ウクライナのこの状況が平和的に解決され、みんなが平和に暮らせるようになることを心から願っている」
「すべての当事者が共に座り、尊重し合う対話を通じて解決策を見出すことができることを願っている。兄弟であるふたつの国が対立しているのを見ると、ぞっとする」
「軍事行動や戦争が人類の未来に影響を与えることを望んでいない。僕の娘やすべての子どもたちに、この美しい世界を楽しんでもらいたいんだ」
「またIOCを含む世界中のスポーツ連盟に対して、スポーツは政治の外にあるべきであり、ロシアの選手やチームが世界大会に参加できないようにすることは不公平な解決策であり、スポーツが原則的に教えていること、すなわち団結と平和に反するということを強調し、訴えたい」
「これからの時代、国々をまとめるのに、僕たちスポーツ関係者以外の誰が役に立つのだろうか」
今回のFIAの決定で、ロシア人ドライバーにとって大きな懸念がひとつ解消されたと言える。しかし世界中を転戦する選手権に参加するドライバーはビザの取得などの問題もあり、実際に参戦できるかどうかはまだ不透明な状態だ。
特にマゼピンは難しい状況に置かれている。アメリカのF1チームであるハースは、マゼピンの父親の会社であるウラルカリをタイトルスポンサーとしていた。だがバルセロナでのプレシーズンテスト3日目、チームはウラルカリのロゴなどを削除して走行。さらに2月27日時点でチームのホームページのスポンサー企業一覧からもウラルカリの名前が消えている。
ハースは、バーレーンで行なわれる第2回プレシーズンテストに向けて、数日中に今後のプランについて決断を下すとみられている。
マゼピンは、ツイッターに『難しい時期だし、今起きていることの多くが僕にはコントロールできない。僕は自分がコントロールできることに集中し、自分のチームのためにベストを尽くす』と投稿している。
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