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中東の軍事的混乱の余波……F1オーストラリアGP、スタッフ&物資の到着遅れる。 開催期間前2度の「作業禁止時間」が特例で不適用に

中東地域で始まった軍事作戦の影響により、F1オーストラリアGPに向かう航空便にも混乱が生じている。このためFIAは、レギュレーションで定められている夜間の作業禁止時間を設けないことを決めた。

Boxes and crates of freight on the pit straight

写真:: John Toscano / Motorsport Images

 FIAは、中東で軍事的混乱が生じたことにより、F1の輸送計画にも影響が及んでいることを受け、開幕戦オーストラリアGPの前に予定されていた2回のカーフュー(夜間の作業禁止)時間を設けないことを決定。各チームに通知された。

 F1では、特定の期間に作業を禁じる「カーフュー」が、各グランプリ中に複数回設けられている。この期間中はチームスタッフのパドックへの立ち入りが制限され、車両に対する作業を行なうことが禁止される。

 しかし2026年のオーストラリアGPに関しては、このカーフューの内ふたつが実施されないことになった。アメリカとイスラエルが共同でイランへの攻撃を開始したことを受け、イランは周辺の中東地域にある各国の米軍施設などに報復攻撃を行なっており、周辺の空域はほぼ封鎖状態となっている。この結果、旅客便や貨物便の運行に大きく支障をきたしており、F1に関連する人員や貨物の輸送にも影響が及んでいる。

 この状況を受けてFIAは、レギュレーションの適用を一部変更する決定を、チームと協議して下した。

 F1のレースディレクターを務めるルイ・マルケスは、各チームに次のような公式通知を送った。

「レーススチュワードと協議した結果、不可抗力、具体的にはオーストラリアGPの準備期間中に発生した輸送および貨物の問題により、レギュレーションのB9.5.1a条の規定とB9.5.1b条の規定は、今回のレースには適用されない」

 B9.5.1a条では「FP1の開始予定時刻の42時間前に始まり、FP1の開始予定時間の29時間前に終了」する期間、B9.5.1b条では「FP1の開始予定時刻の18時間前に始まり、FP1の開始予定時刻の4時間前に終了」する期間が、それぞれ”制限期間”と定められていて、前述のとおり作業を行なうことができない。

 これらの規定では、レギュレーションによって「オペレーション要員」と定められている60名のチームメンバーと、「トレーニング要員」として定められている16名のチームメンバーに適用されるもの。その他のチームスタッフ(ドライバー、マーケティング、後方など)は、カーフューに関係なくサーキットに残ることができる。

 各チームはオーストラリアGPに必要な機材や物資を輸送するにあたって、中東の混乱によって土壇場で予定を変更することを強いられた。中東の各空港はヨーロッパとアジアやオセアニアを繋ぐハブ空港になっているため、これらを使えないのは大きな障壁となる。実際にチームメンバーも、メルボルンへの到着が遅れたようだ。ただふたつのカーフューが適用されないことで、少しは落ち着いて作業することができるだろう。

 ただ、「第3のカーフュー期間」となる、FP3開始の14時間前からFP3開始の3時間前までの11時間は、レギュレーション通り作業禁止となる。

 中東での軍事活動はモータースポーツに大きく影響を及ぼし始めている。先週末にバーレーンで開催が予定されていたピレリのタイヤテストは中止。これには、マクラーレンとメルセデスが参加する予定であった。また3月26日から28日にかけてカタールで開催予定だった世界耐久選手権(WEC)の開幕戦も、延期となることが既に発表されている。

 このWECが予定されていた週末の2週間あとにはバーレーン、その1週間後にサウジアラビアでF1の開催が予定されている。いずれの国もイランによる報復攻撃の対象となっており、予定通り開催できるかどうかが心配される。

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