オランダのマシントラブルで崖っぷち……しかしノリスは自信を失わず「結局最高のドライバーがチャンピオンになるんだ」
ランド・ノリスは、オランダGPでリタイアし、2025年のタイトル争いで不利な状況に追い込まれたが、まだまだ強気な姿勢。一方で独走状態にあるオスカー・ピアストリは、まだ落ち着けるような状況ではないと気を引き締める。
Lando Norris, McLaren, Oscar Piastri, McLaren
写真:: Sam Bloxham / Motorsport Images
前戦オランダGPでは、オスカー・ピアストリが優勝した一方で、チームメイトでタイトル争いのライバルであるランド・ノリスは、マシントラブルでリタイア。マクラーレンのふたりで明暗が分かれた。今季のタイトル争いを占う上で、重要な1戦だった可能性がある。
しかしノリスはイタリアGPの木曜日、モンツァ・サーキットのパドックでメディア対応に臨んだ際、非常に落ち着いた印象だった。
ピアストリ曰く、ノリスのマシンを襲ったトラブルは、エンジンのオイルラインの破損であったという。これはパワーユニット(PU)メーカーのメルセデスの担当領域ではなく、チーム側の担当領域である。
このオランダGPの結果、ピアストリとノリスのポイント差は34ポイントに拡大。残り9戦でノリスがピアストリを抜くのは、容易なことではないだろう。
ノリスは、オランダGPからイタリアGPまでの4日間での休養が、非常に重要だったという。
「もちろん、悔しいね」
そうノリスは語った。
「でも同時に、理由があるからこそ簡単に前に進むことができる」
「もし自分のせいだったら、きっと今でも自分を責めたり、かなり落ち込んだりしていただろう。でも、自分には関係ないという事実があったから、『まあ、人生ってそういうものだよね』と割り切れたんだ」
「それで僕に何ができると思う? だからそれを忘れて、今週末に目を向けるのは、意外と簡単なんだ。それが今から楽しみなんだ」
ノリスがそう語る数分前、ピアストリもメディアの取材に応じた。その際のピアストリは、突然拡大したリードには安心できていないようだ。
ピアストリはその冷静な性格から、4度チャンピオンに輝いたアラン・プロストと比較されることもある。その若き「プロフェッサー」は、タイトル獲得に向けた計算をまだ始めようとはしていない。
「正直言って、ほとんど何も変わらない。以前、チャンピオンシップでこれよりもずっと大きなギャップがあった時もあったが、最終ラウンドの前にはほぼ埋められていた」
そうピアストリは語った。
「だからこの差は楽なモノではないという、個人的な経験がある。まだ計算して、1位以外のポジションで妥協するには早すぎる。アプローチは、今後も同じだ。差がかなり広がるか、レース数が大幅に減るまでは、このアプローチは変わらない」
■ノリスにできることは何か?
Lando Norris and Oscar Piastri fought out a curiously friendly title battle thus far.
Photo by: Sam Bagnall / Motorsport Images
オランダGPの後、ノリスは今後「全力で取り組む」と約束した。しかし、ピアストリをコースから押し出すようなことはしないだろう。それは、彼の性格ではない。それを考えれば、ノリスに出来ることはあまりないように見える。
では、どの部分で全力を尽くすのか? ノリスはmotorsport.comの質問にこう答えた。
「必ずしもそうできるわけではないけどね」
「レースの観点から言えばそういうことだ。ただ予選では、もっと上位にいなければいけない。そしてレース、判断、戦略など、様々な面でもう少し集中して、鋭敏にならなければいけない」
「できることは全部やっていると感じているから、これ以上できることはあまりない。だから今回のことがきっかけで、急にもっと頑張れるようになったというわけではないんだ」
「自分のパフォーマンスには、概ね満足している。でも、ほんの僅かな差が大きな違いを生む可能性があるという話だ。だから満足しているし、改善すべき点は分かっている。それに取り組んでいるし、今はそれが、続けられる全てのことなんだ」
メルセデスのトト・ウルフ代表は最近、マクラーレンはふたりのドライバーに自由に、彼らが望むようにレースさせるべきだと示唆した。しかしピアストリも、ノリスがこれまで以上にアグレッシブに、マクラーレンのチーム内ルール(いわゆるパパイヤルール)のギリギリを攻めるようなレースをしてくるとは予想していない。
「そうは思わない。ノリスが戦いから脱落したわけではない」
「確かに今は少し難しくなった。大きな変化は期待していない。これからも同じようにレースをするだろう。リスクを負う度合いも同じだろう」
「僕らはふたりとも、できる限り速く走ろうとしている。その点では、何も隠しているわけではないんだ」
■最高のドライバーが勝つことを願う
Photo by: Erik Junius
残りは9レース。ノリスにとって時間切れというわけではない。ただ彼にとって不利なのは、マクラーレンが圧倒的に強いということだ。
たとえノリスが連戦連勝しても、マクラーレンが強いため、ピアストリがその後ろでフィニッシュする可能性が高い。ピアストリがノリスから数ポジション遅れてフィニッシュするということは、ほとんどないだろう。
「時折、間にもう少し多くのドライバーがいれば、確かに楽になるだろうね」
そう彼は言う。そもそもノリスがタイトルを争えているのは、マクラーレンのパフォーマンスが高いから。しかし実際にタイトルを目指す上で、それが足枷になる可能性があると皮肉を込めて語った。
「問題は、チームが圧倒的に優位すぎるため、僕の仕事が難しくなっていること。それが一番フラストレーションの溜まる部分なんだ」
しかしノリスは、ピアストリが深刻な問題を抱えることなく、仕事をやり遂げられるだろうと感じている。
「何も起こらなくても、チャンピオンシップを勝ち取ることはできる。それが僕の望みなんだ」
そうノリスは語ったが、ライバルに対する悪意はなかった。
「だって、最終的に彼が僕よりも良い仕事をしたなら、僕は彼を賞賛するし、『彼の方が良い仕事をしたよ』と言うからね」
「それが僕のやり方なんだ。彼に不運が起きるようなことは望まない」
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