F1がレギュレーション微調整も、未だ理想の状態ではないとノリス。“真の満足”には選択肢はただひとつ「バッテリーをなくすしかない」
F1の最新のレギュレーション調整はドライバーたちから歓迎されているものの、ランド・ノリスは完全に満足できる形にはなっていないと語る。
Lando Norris, McLaren
写真:: Sam Bagnall / Sutton Images via Getty Images
F1はマイアミGPを前に、エネルギーマネジメントに関する規則を調整した。ただマクラーレンのランド・ノリスは、これが「正しい方向への第一歩」だとしつつも、問題が完全に解決したわけではないと述べた。
今回の規則変更にあたっては、F1ドライバーからの意見が取り入れられ、エネルギーマネジメントにいくつかの調整が加えられた。これにより、予選ではよりプッシュしやすくなり、アクセルを緩めて惰性で走行するリフト&コーストをアタック中に行なう必要性が少なくなった。ただその完全な効果については、マイアミよりもエネルギー回生が難しいサーキットで検証する必要があるだろう。
その一方で、F1関係者はすでに2027年に向けてさらなる変更に原則合意している。燃料流量を増加させることで内燃エンジンからの出力を50kW分引き上げ、その分の電動エネルギーを削減するというものだ。これで、50:50とされていたエンジンと電気の出力比は60:40に近付く見込みだ。
マイアミからの変更についてディフェンディングチャンピオンのノリスは、その方向性について評価をしながらも、バッテリーマネジメントが未だ支配的な領域である限りは根本的な問題解決には至らないとの見解を示した。
「正しい方向への小さな一歩ではあるけど、まだF1が本来あるべきレベルには達していない」とノリスは言う。
「以前のようにどこでも全開でプッシュしようとすると、未だに損をするようになっている」
「今もずっと全開で走ることはできない。単純にアクセルを早く踏めばいいという話ではない。そういうことをして不利になるようなことがあってはならないのに、そうなっているんだ」
「正直、これはどうしようもないと思う。バッテリーをなくすしかない。数年後にはそうなってほしいね」
ノリスのチームメイトであるオスカー・ピアストリはマイアミで、今季のマシン特有の非常に大きな速度差を初めて体感したという。新規則のマシンは、ブーストエネルギーを発動中の車両とチャージ中の車両の速度差が大きく、日本GPの際にはその速度差が原因でハースのオリバー・ベアマンが大クラッシュを喫した。
「レース自体はこれまでとほぼ同じだけど、今回はオーバーテイクやディフェンスを本格的に経験した最初のレースだった。正直かなりクレイジーだよ」
ピアストリはそう語る。
「ある場面ではジョージ(ラッセル/メルセデス)が1秒も後ろにいたのに、ストレートの終わりには抜かれていた。かなり予測不能だ。速度差がとても大きくて、守る側としてそれを予測するのはすごく難しい」
「それに、オーバーテイクするドライバーとしてジョージのあの動きはどうかと思うところもあったけど、5周くらい前には自分も同じような動きをしていたことに気付いた。とにかく速度差が大きすぎるんだ。そういう意味では、あまり状況は変わっていないと思う」
「FIAとF1が協力して改善しようとしているのは良いことだけど、今のハードウェアの範囲でできることには限界がある。将来的にはさらなる変更が必要なのは間違いない。ただ、それをどれだけ早く実現できるかが問題だね」
マイアミGPのウイナーでありポイントリーダーにも立っているアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は、この大きな速度差の中でのバトルには、ドライバー同士の信頼が不可欠だと指摘する。特にストレートモードで前後のウイングを寝かせた状態では、マシンの操縦がより難しくなるためだ。
「速度差は本当に大きいし、防御する側のドライバーを信頼する必要がある。というのもアクティブエアロの影響で、方向転換したいときにマシンの反応が鈍くなるから、先を読んで動かないといけない」とアントネッリは言う。
「さっきも言ったけど、守る側のドライバーを信頼することが重要だ。でも今回の変更は正しい方向への一歩だった。あとはこれからどうなるか次第だ」
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