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ホンダ“スペック3”PUは航空チームと共同開発。今後の“飛躍”に一役買うか?

ホンダ製F1エンジンの最新アップグレードは、自社の航空エンジンプログラムにおける専門知識に影響を受けており、技術的に重要なステップを踏んだようだ。

Pierre Gasly, Red Bull Racing RB15, in the pit lane

Mark Sutton / Motorsport Images

 F1フランスGPでホンダが投入した“スペック3”パワーユニット(PU)には、内燃機関(ICE)とターボチャージャーにアップグレードが施された。ホンダのPU開発を担うHRD sakuraの面々は、自社の航空エンジン部門と2年間仕事を共にしている。それらの共同開発は、昨年後半に投入したMGU-Hの信頼性向上に大きな成果をあげた。

 PU開発の指揮を執る浅木泰昭は、ホンダ首脳陣の集まるミーティングの中で、タービンの共同開発が有益であると提案していた。

 ホンダのF1テクニカルディレクターである田辺豊治はmotorsport.comに対し、次のように話した。

「航空エンジン自体は(PUと)全く異なっています」

「しかしターボチャージャーとMGU-Hは航空機のタービンと似ています」

「高速回転を利用しているし、空力デザインも必要とします。そこには共通の技術があると思っています」

HF120 Turbofan Jet Engine

HF120 Turbofan Jet Engine

Photo by: Honda

 ホンダの航空ターボファンエンジンであるHF120から受けた影響の中に、ターボチャージャーとMGU-H内部のブレードのデザインの変更も含まれていると考えられている。

 ホンダのF1マネージングディレクターを務める山本雅史はこう語った。

「F1の世界だけで働いているので、当然この世界に焦点を置いています」

「ただ、我々は異なる分野の人々からアドバイスをもらい、様々な視点を持つことができています。今回はタービンの空力に関するものでした。新たな視点は我々に改善の本質を教えてくれます」

F1との関連性

HF120 Turbofan Jet Engine

HF120 Turbofan Jet Engine

Photo by: Honda

 HF120は、数々の賞を受賞したホンダジェットHA-420(6人乗り小型ジェット)に搭載されており、高高度の過酷な条件下でも正常に動作する。

 F1で現在使用されているV6ターボ-ハイブリッドエンジンでは、ターボチャージャーとMGU-Hは最高で毎分12万5000回転する。以前のホンダは、それらの信頼性とパフォーマンスが足りていなかった。

 ターボチャージャーとMGU-Hに不備があれば、信頼性のリスクが生じるだけでなく、全体的なパフォーマンス、そしてエネルギー回生にも影響が及ぶ。ターボに基本的に求められているのは、燃焼室に入る空気を圧縮することによって、燃焼プロセスをより効率的にすることだ。これによってより多くの燃料が完全燃焼されることとなる。

 これは伝統的なV型6気筒ターボエンジンのパフォーマンスにおける重要な相互作用だが、ターボはMGU-Hとも重要な相互関係にある。

 MGU-Hは燃焼ガスの勢いを電気エネルギーに変換し、それを直接MGU-Kに送りパワーを生むか、エネルギーをバッテリーに一時貯蔵することもできる。また、MGU-Hにはレースにおける1周のエネルギー回生量に制限はないのが特徴だ。MGU-Kによるエネルギー回生量や、バッテリーからMGU-Kに供給できるエネルギー量は決まっているため、MGU-Hが効率的にエネルギーを生むことが重要となる。これらの回生システムはPU総出力の20%を占めており、パフォーマンスの根幹をなすものだ。

 さらにMGU-Hは、同軸上にあるターボのスピードを制御することによって、別の機能を発揮する。スロットルに応じてすぐにターボを回転させることができ、空気の圧縮を早め、ターボラグの解消に一役買うことになるのだ。これらはドライバビリティの重要な要素であるとも言える。

レッドブルにとっての意義

Pierre Gasly, Red Bull Racing RB15

Pierre Gasly, Red Bull Racing RB15

Photo by: Zak Mauger / LAT Images

 レッドブルとホンダはともに、メルセデスを打ち負かしてF1タイトルを獲得するためにはさらなる改善が必要だと認めている。

 ホンダは今季、8レース目にして早くも、“スペック3”と呼ばれる3基目のICEとターボチャージャーを導入した。これで年間使用基数の上限に達したこととなるが、ホンダは残る13レースの内のどこかで、グリッドペナルティ承知の上でさらなるアップグレードを行う見込みだ。

 この従来よりも早いアップグレードは“計画通り”であったと田辺は語ったが、航空エンジンの研究開発チームとのコラボレーションが“長期的な”共同開発であるという性質も、それに影響したという。

「それには時間がかかります」と田辺は語った。

「来月には準備ができている、というのは少し難しいです」

「我々はホンダ側の準備が出来ていることを確認し、チームと話し合った結果、ベストなタイミング(フランスGP)で投入することを決めました」

 スペック3はダイノテストでわずかなパワー向上が確認されたものの、ホンダはこの新しいPUが劇的な進化をもたらさないだろうと考えていた。

 しかしながら、フランスGPでスペック3が見せた信頼性と数値にホンダは満足しており、これが今後のアップグレードでパワーを向上させるための土台になるはずだ。

 田辺はさらにこう続けた。

「効率的なターボチャージャーがあれば、そのメリットをICEにもMGU-Hにも共有できるんです」

「特にスペック3の開発においては、とても効率的なターボチャージャーがあり、エンジンパフォーマンスのトータルバランスを最適化することができます」

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