ルクレール、モナコで痛恨クラッシュ！　デモランで1974年のマシン『312B3』がダメージ

　フェラーリのシャルル・ルクレールは、モナコ・ヒストリックGPでデモランを実施したが、スピンを喫してしまった。

　ルクレールは、元フェラーリドライバーでル・マン24時間レースを6度制したレジェンド、ジャッキー・イクスと共にデモランを実施。ルクレールはフェラーリ『312B3』を走らせた。

　このマシンは、クレイ・レガツォーニやニキ・ラウダがドライブした、縦に細長いインダクションポッドを備えた1974年のマシンだ。

　ルクレールはまずゆっくりとしたペースでコースをチェックした後、すぐにペースアップした。しかし3周目のラスカスでリヤを失いスピン。リヤからウォールに接触してしまった。

　マシンが止まると、ルクレールはすぐに手振りでブレーキペダルに問題があることを知らせた。その後、ルクレールは再び走り出したものの、マシンはリヤウイングにダメージを負ってしまった。

　しかしリヤから煙が上がったこともあって、メインストレートでマシンを止めた。ルクレールはふたりのマーシャルとマシンのダメージを確認。イクスとも話をしていた。

　ルクレールは当時、次のように言ったという。

「ブレーキが利かなかったんだ！　ブレーキを踏んだらペダルが固くて、床まで踏み抜いてしまったんだ」

「もしほかの場所でブレーキを踏んでいたら、良くなかっただろう……あの瞬間にブレーキを踏めたのはラッキーだった。問題は、僕が怖がってしまったことだ。普通にあのコーナーに着いてしまったんだ」

　その後、彼は自身のSNSに『世界中の不運がモナコに集まったように思う。フェラーリの歴史的なF1マシンのひとつである312B3のブレーキを、ラスカスへの進入で失ってしまった』と投稿している。

　ルクレールがドライブしていた312B3は、マリオ・リンケが代表を務めるケルンのメトセラ・レーシングが所有している。このシャシーは、昨年のヒストリックGPでジャン・アレジがマルコ・ヴェルナーのドライブするロータス77と絡んで物議を醸した312B3とは別のシャシーのようだ。

　昨年のF1モナコGPでは、ポールポジションを獲得しながらも予選のクラッシュで決勝レースを走れなかったルクレール。絶好調の今季、モナコGPではリベンジを狙うが、”本番”の2週間前に縁起の良くないクラッシュを喫してしまった。