

メルセデスのトト・ウルフ代表は、フェラーリのシャルル・ルクレールとセバスチャン・ベッテルの関係が悪化する可能性はあると見ている。
F1第15戦シンガポールGPは、セバスチャン・ベッテルが今季初優勝。シャルル・ルクレールが2位に入り、フェラーリは3連勝をワンツーフィニッシュで飾った。
レース序盤をリードしていたのはルクレールだったが、先にピットインしたのは3番手を走行していたベッテルだった。4番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と同じタイミングでピットに入ったベッテルは、2番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)をアンダーカットしようと、新品タイヤでプッシュした。すると、翌周にピット作業を済ませたルクレールをも逆転。実質トップに立ったベッテルは、そのままトップチェッカーを受けた。
通常、チームメイト同士が近い位置を走っている場合、チームは前を走っているマシンを先にピットに入れる。そうしなければ、今回のフェラーリのように前を走るマシンが不利になってしまうからだ。
ポジションを落とすことになったルクレールは無線でチームに不満を伝え、レース後の会見では”フェアじゃない”と批判を展開。その後は落ち着きを取り戻し、チームの説明を受け入れた。
一方のベッテルは、『ドライバーがチームよりも大きな存在だと考えるのは、大きな誤解』だと語った。
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かつて、ハミルトンとニコ・ロズベルグによる激しいチーム内争いを経験したメルセデスのトト・ウルフ代表は、ベッテルとルクレールのライバル関係が激化する可能性があると考えているようだ。
「トップクラスのドライバーふたりがポジションを争っている時、それがライバル関係となる可能性は常にある。そして、それがチーム内でエスカレートしていくんだ」
「我々もかつてそれを経験した。今はチームとして明確な哲学を持ち、非常に強いチームになっていると思う」
「彼ら(ルクレールとベッテル)が互いにポイントを奪い合っているのは我々にとってはアドバンテージだ。我々は自分たちが持っているものを最適化し、レースに勝つためにベストを尽くす。我々はシンガポールで、それができなかった」
とはいえ、シンガポールではベッテルとルクレールの間で直接問題が起きたわけではない。ルクレールが不満を抱いた最大の原因は、フェラーリが戦略面に関してルクレールとうまくコミュニケーションできなかったことだ。
フェラーリ内部の”コミュニケーションの質”について質問されたルクレールは、次のように述べた。
「チーム内での会話のレベルはとても良好だよ」
「当然、話をしないような時もある。そうじゃないと、ミーティングが8時間も長くなるだろう。そんなことは望んでいない。もうすでに長すぎるんだから!」
ベッテルは次のように付け加えた。
「言うまでもなく、レースで起きたことなんかは話すつもりだよ」
「マシンに乗って、自分の仕事をしようとした時のことを想像してみてよ。まず優先するのはチームなんだ」
また、ベッテルはシンガポールGPでピットインした際の状況について、次のように語った。
「ピットインするように指示されてすぐ、可能な限りのことをやろうとしたんだ。僕の後ろを走るマックスもピットに入ろうとしていたからね」
「僕のレースにとって重要なタイミングだということは分かっていた。ルイスの前に出ようとしていたんだ」
「その後僕は先頭に立って、そこからペースをコントロールしようとしていた。トラフィックをくぐり抜けて、レースを最後までコントロールできるようにクッションを作ろうとしていたんだ」
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この記事について
シリーズ | F1 |
ドライバー | シャルル ルクレール , セバスチャン ベッテル 発売中 |
チーム | フェラーリ 発売中 |
執筆者 | Scott Mitchell |