財政難によるWシリーズのシーズン途中終了……ハミルトンはF1側の責任を追求「F1は潤っているのだから、援助もできたはず」
ルイス・ハミルトンは、財政面の問題で2022年シーズンを打ち切ったWシリーズを救済するために介入しなかったF1に苦言を呈した。
女性ドライバーがF1に参戦するための道筋を作るため、2019年に発足した女性限定のフォーミュラシリーズ、Wシリーズ。F1のサポートレースとして行なわれていた今シーズンは全10戦が予定されていたものの、アメリカ大陸での終盤3レースがキャンセルされて全7戦で打ち切りとなった。
これはアメリカの投資家との契約が破綻となったWシリーズが2023年シーズンに向けて資金調達に集中することになったからであり、この結果ジェイミー・チャドウィックが3連覇を達成した。シーズンを予定通り開催するために必要とされていた金額については公表されていないが、イギリスの政府機関には2021年の決算で750万ポンド(約12億6059万円)の負債が計上されている。
メルセデスのF1ドライバーであるルイス・ハミルトンは、本来Wシリーズのレースが開催される予定だったアメリカGPを前にして、F1にはWシリーズの存続を助ける責任が“100%”あったと主張した。
「これまでのF1の歴史では、女性にフォーカスされることがあまりなかった。今もまだ十分ではない。そんな中で、そこで行なわれている素晴らしい活動を(F1は)大きくしようとしていない」
「僕たちの業界では、その辺りを表現することが全体的に不十分だ。若くて素晴らしい(女性)ドライバーがF1に行くための道筋もない」
「人によっては『今後女性F1ドライバーが見られることはないだろう』という人もいる。それは良いシナリオだとは言えない。だから僕たちにはもっとできることがある」
F1は2017年にアメリカのリバティ・メディアがオーナーに就任して以降、大幅な増収に成功している。特にNetflixの番組『Drive to Survive』はスマッシュヒットを記録しており、それによるTV視聴者の増加が商業的な成功に大きく寄与している。
その点を考慮すると、F1がWシリーズが今季残りレースを開催するための資金を援助しても何ら不思議ではないとハミルトンは考えている。
「運営側のF1とリバティがこれだけうまくいっているのだから、そこ(Wシリーズ)に援助をするというのは彼らにとっても大したことではなかっただろう」
「若い女性の力になるために、僕たちはもっと努力しないといけない」
またハミルトンは、メルセデスが2020年に発足させた、多様性と包括性を高めるための5年計画のプロジェクト『アクセラレート25』の活動について言及し、次のように続けた。
「僕がメルセデスと取り組んでいるのは、例えば8000人の若い女性をこの業界に取り込もうとする、といったことだ」
「どのチームもそういうことをするべきだ」
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