F1テスト日数削減は悪手なのか? ウイリアムズ副代表「若手にとっても問題」
ウイリアムズF1のクレア・ウイリアムズ副代表は、F1のプレシーズンテストが6日間に縮小されたことが良くないと考えており、若手ドライバーにとってもプラスにはならないと語った。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
2020年のF1は開幕前のプレシーズンテストは、昨年までの計8日から計6日間に削減。さらにバーレーンとバルセロナで行われてきたインシーズンテストも廃止されてしまった。
今年のF1は新型コロナウイルスの影響によって開催は予定通りには進んでいないが、当初の予定では年間レース数が22戦と歴代最多となる予定だった。これとテスト日数の削減は、無関係ではない。
こうしたテスト日程の削減は、チームやドライバーによって賛否が分かれているが、ウイリアムズF1チームの副代表を務めるクレア・ウイリアムズは6日間では少なすぎるとの考えを持っている。
テストが8日間から6日間へと短縮されたことについて、どう考えるかを聞くと、彼女は「少なすぎると思います」とmotorsport.comに答えた。
「我々もコスト管理の観点からは、それ(日数削減)を理解することはできます。しかし6日しかプレシーズンテストがない場合、最初の数レースに向けてやる必要のある全ての事をこなすには、十分ではありません」
「そして我々ウイリアムズは、あなた方の予想しているように、削減に反対しているチームです。近年は苦戦しているのですから、そうお思いでしょう」
「ですが最終的に、昨年直面したような問題を抱えていても、抱えていなくとも、我々はプレシーズンテストの日程を増やすことに賛成です」
「そんなに沢山ではなく、もう2日や3日あればとても助けになるでしょう。天候なり、エンジンやクルマの問題といったように、サーキットを離れる時には常に何らかの考える要素があるためです。2年前には(テストで)雪を経験しているんです」
また副代表はマシン開発以外にも、経験の少ない若手ドライバーがF1マシンの走行経験を積む機会が限られてしまうことも問題だと指摘している。
「十分なテスト日数がないというのは、若手ドライバーを走らせる機会が非常に制限されるという意味でも問題があると考えています」
「それはスポーツに対しても妨げになる要素だと思います。実際、我々のように若く才能あるドライバーを育てることに力を入れているチームでも、彼らをレースカーに実際に乗せる機会はとても少ないのです」
「レースカーに乗せられないのであれば、どうやって彼らを評価できるのでしょうか? それゆえジュニアフォーミュラからF1へと新たな才能を引き入れることはとても難しい、という筋書きを作っているのでしょうか」
「私やウイリアムズにとって、これは対処しなければならない問題として感じられるのです」
ウイリアムズは2018年、2019年と苦戦が続いているが、副代表はシーズン中のテストが復活すれば、こうした苦しい状況にあるチームにとっては役立つと語る。
「インシーズンテストを復活させることにも賛成です。シーズン中のテストが何もないというのは、レースで良い結果を残せていない場合は開発の面から見ても厳しいものです」
「コストに関わらず、テスト項目を評価するためにはさらに数日テストを行なうというのは重要だと思います」
「特に2021年は新たなレギュレーションがありますから、うまくやらなければ、22戦を望まないシナリオにはまってしまうかもしれません(後に新規則の導入は先送りされることなっている)」
■クビアト、テスト削減のはてに“シミュレーターだけ”になることを懸念
「僕が懸念しているのは、テストが今は6日だけどそこから4日になり、1日になり、0日にならないか、そして僕らはシミュレーターだけで済ますようになるのではないかという点だ」
アルファタウリのダニール・クビアトは、テスト削減についての考えを訊かれるとそう語った。
「僕はそれに反対しているだけだ。リアリティを求めるタイプなんだ」
「スクリーンのある暗い部屋で(シミュレーターに)座ってドライビングをするよりも実際のマシンを走らせることが好きなだけだよ」
「もちろん、無制限にテストができない理由は分かっているし、それはいい考えだとも思う。でも6日間じゃないよな、もうちょっとあるべきだよなとは思っている」
「僕が言いたかったのはそれだけだ。でも結局は、僕が決めることじゃないから、すごく否定的ってわけじゃないよ」
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