元強豪の”驕り”はいらない。水面下で進むウイリアムズのチーム改革

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元強豪の”驕り”はいらない。水面下で進むウイリアムズのチーム改革
執筆:
協力: Oleg Karpov
2019/01/24 22:41

ウイリアムズのパディ・ロウは、チームは大きく考え方を変えなければならないという事実を受け入れられていなかったと語った。

 ウイリアムズの最高技術責任者であるパディ・ロウは、大きく考え方を変えなければならないと言う事実を受け入れられていなかったことが、2018シーズンの低迷を招いてしまったと認めた。

 2016年までメルセデスでエグゼクティブディレクターとして技術部門を統括し、チームの躍進に貢献したロウ。2017年3月からは、1987年に電子回路設計部門チーフとしてF1キャリアをスタートさせたウイリアムズに、最高技術責任者として戻ることになった。

 しかしロウが本格的に開発に携わった2018年のマシンFW41は、空力に根本的な問題を抱え、パフォーマンスは奮わず。結局7ポイントしか獲得できず、コンストラクターズランキング最下位に転落した。

 これを受けて、ウイリアムズはマシン開発プロセスの大幅な見直しを進めている。

 ロウはmotorsport.comに対し、ウイリアムズは『修正すべき問題は2つか3つほどしかなく、それさえ直せばあとはOKでレースにも勝てるだろう』という、今の考え方から脱却しなければならないと語った。

「その考え方は、非常に長い間ウイリアムズに根付いているものだ」

「我々に必要なのは『チャレンジするために使えるものはなんだって使う。そして全てを毎年改善していく』という考え方なんだ。さもなければ、手強い競争相手たちに置いていかれてしまう」

「F1にいる10チームは、それぞれが持つ歴史と比べても、うまく資金をやりくりしている。本当に優秀な教育を受けたエンジニア、世界中で最も才能のあるエンジニアを豊富に揃えているんだ」

「あらゆる分野で、立ち止まっていることなどできない。それが、我々が採り入れるべきメンタリティーであり、今まさに採り入れようとしていることなんだ」

「以前はその考え方は(チームに)存在しなかった。私でさえも落とし穴にハマってから、新たな視点を持つことができたんだ」

 ロウはリアクティブ・サスペンションの開発責任者として、1992年のチャンピオンマシンFW14Bを生み出したウイリアムズ黄金期のメンバーだ。しかしウイリアムズが常勝チームだったのは、すでにかなり前の話だ。レースに勝ったのは、2012年のスペインGP(パストール・マルドナードが優勝)が最後。タイトルを獲得したのは、1997年のジャック・ビルヌーブまで遡る。

 ロウは、2018年の早い段階からチームを大きく改革するための作業は進められてきたと明かした。たとえそれが、2018シーズンの全体的なパフォーマンスを向上させるためには役に立たなかったとしても、良い結果に繋がると彼は主張している。

 ウイリアムズの改革はチーム内部で進行しており、重要人物の離脱や新しい人材の起用、技術陣の配置転換などを公にはしていない。

 同じく低迷が続いているマクラーレンが、チームの構造改革や重要ポストに就くメンバーの更迭を公然と行なっているのとは対照的だ。

「我々がやらなければならない作業は、チーム内部のものだ。むしろそれをメディアで宣言したり明確にするのではなくて、内部的なものにしておきたいと思っている」

 そうロウは述べた。

「我々がそのような再編成をしようとしていることを、スタッフが最初にメディアで知ることは望まない。できる限りオープンに、誠実にやっていきたいが、まずはチーム内部でやらなければいけないことがある」

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この記事について

シリーズ F1
チーム ウイリアムズ
執筆者 Scott Mitchell