マグヌッセン、失意のリタイア後にまさかの徒歩帰還……「レースが終わるまで迎えを待っていた」
ハースのケビン・マグヌッセンは、F1サンパウロGP決勝でリタイアした後、興奮するファンの間を歩いてピットまで戻ることを余儀なくされたという。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
ハースのケビン・マグヌッセンは、F1サンパウロGPの決勝レースをオープニングラップで終えた後、徒歩でピットまで戻るという”クレイジーな体験”をしたと明かした。
金曜日の予選でポールポジションを獲得したマグヌッセン。土曜日のスプリントを8番手で終え決勝レースに臨んだものの、ダニエル・リカルド(マクラーレン)との接触でスピンし、決勝レースをオープニングラップで終えた。
コースサイドでマシンを降りたマグヌッセンとリカルドの安全を確認するために、メディカルカーが現場に駆けつけたものの、ふたりのうち片方しか乗せるスペースがなく、リカルドがメディカルカーに乗り込んでパドックに戻ってしまった。
一方のマグヌッセンはパドックに戻る手段がなく、コースに残されてしまった。結局、レースが終了するのを待っても誰も迎えに来なかったため、マグヌッセンは一般観戦エリアを歩いて戻ることになったという。
この出来事についてMotorsport.comから尋ねられた彼は、「クレイジーだった」と答えた。
「何が起こったのか分からないけど、ドライビングを含めてもこの週末で一番危険なことだったよ!」
「どういうわけか、僕はピットに戻るための車をつかまえられなかったんだ。ダニエルが僕をレースからリタイアさせ、セーフティカーに飛び乗ってピットに戻った。そしてレース中、僕はずっとコース脇に取り残された」
「僕はそれを乗り切った。それでOKだ。マーシャルに話しかけたけど、彼らは一言も英語を話さなかったんだ。レースが終わってから、誰かが迎えに来てくれるのを待ったりしていたら、マーシャルが帰り始めた。それで、どうしたらいいんだろうと思ったんだ」
マグヌッセンは、パドックエリアに戻るルートを探そうと近くを歩いたが、フェンスで立ち往生してしまい、他のマーシャルが助けに来たと説明した。
「フェンスで立ち往生してしまって、道がよく分からなかったんだ」
「もちろん、コースを歩いてフィニッシュ地点まで行くこともできたんだけど、ファンがたくさんいたからね」
「そのときマーシャルが、僕が困っていることに気づいてフェンスに穴を開けて、僕を通してくれたんだ。ちょっと大雑把だけどね」
「マーシャルがうまく対応してくれたけど、最悪の事態になる可能性もあっただろう。僕がルイス・ハミルトンで、ここがザントフールトじゃなくて良かったよ。そうだったら本当に危なかっただろうね!」
レースのオーガナイザーから今回の出来事について説明があったかと訊かれたマグヌッセンは、次のように答えた。
「彼らは謝ってくれたけど、かなり奇妙な状況だった。ただ迎えに来て、ピックアップするだけだ。それが難しいことかな? シュールだった。もう二度と起こらないことを願うよ」
マグヌッセンにとって残念な結果に終わったサンパウロGPだが、衝撃のポールポジションを獲得した喜びは消えなかったという。
「ハースのような小さなプライベーターのチームがポールポジションを獲得したことは、僕らにとってとても誇らしい瞬間だった」
「本当に誇らしい瞬間だった。そして、みんなを元気づけたと思う。このスポーツで何でも可能だということを示したんだ」
「不可能と思われることも多いけれど、そうではないんだ。このような瞬間があるからこそ、すべてが価値あるものになる」
かなり厳しい数シーズンを過ごしたハースのチームメンバーに、ポジティブな気持ちを注入することができたとマグヌッセンに付け加えた。
「みんな喜んでくれたよ。チームにとって本当に誇らしい瞬間だった」
「パドックを歩いていても、みんな少し大きく、背筋が伸びているように見える。それは素晴らしいことだ」
「それは、僕らの共通の思い出になる。こんな風に(モチベーションが)高い状態で冬に入るということは、大きな価値がある。だから、本当にハッピーだ」
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