F1 イギリスGP

ナイスガイだがスピードがない……レッドブル重鎮が明かすデ・フリーズの“クビ”原因。たった10戦も早すぎる判断ではない?

ヘルムート・マルコは、わずか10戦でアルファタウリF1から放出となったニック・デ・フリーズについて「ただスピードがなかった」として、決断を遅らせることはしなかったと語っている。

Filip Cleeren

Filip Cleeren

編集: 2023/07/14 17:29

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Nyck de Vries, Scuderia AlphaTauri

 7月11日(火)、レッドブルは次戦ハンガリーGPからニック・デ・フリーズに代わり、レッドブル・レーシングでサードドライバーを務めてきたダニエル・リカルドがスクーデリア・アルファタウリのマシンをドライブすることを発表した。

 この判断について、レッドブル系ドライバーの人事を司る同社のモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、「スピードがなかった」ことを理由に挙げている。そして、デ・フリーズは開幕から10戦の間にチームメイトの角田裕毅とのペース差を、期待以上に改善できなかったとマルコは語っている。

「昨年のモンツァで素晴らしいパフォーマンス(ウイリアムズで代役参戦ながらも9位入賞)を見せたから、我々はニックと契約したのだ」

 マルコはオランダ紙De Telegraafにそう語った。

「今年は少なくともチームメイトの角田と同等になることを期待していたが、そうはならなかった。実際、彼は常にユウキより0.3秒遅かった。改善は見られなかった」

「我々は何かしなければならなかった。なぜ待つ必要がある? 改善が見られないのに、あと2レースやって何が変わる?」

「ニックはとてもナイスガイだが、ただスピードがなかった」

分析:デ・フリーズを夏休み待たずに放出、レッドブルの非情な決断。なぜ今? そしてなぜ後任がリカルドなのか?

 デ・フリーズは2019年にFIA F2でタイトルを獲得したものの、翌年のF1シートを掴むことができず、フォーミュラEに参戦。そこで世界タイトルを獲得した。

 こうした経験を積んでいるからこそ28歳のデ・フリーズは、2021年のルーキーシーズンで苦しんだにも関わらず契約延長が決まった角田をはじめとする若手ドライバーとは異なる尺度ではかられることとなった。

「彼は28歳で多くの経験を積んでいるし、テストドライバーとして複数のF1マシンで走り、多くの知識を得ていた」とマルコは説明する。

「私の考えでは、彼を若いルーキーと比較することはできなかった。4月末のバクーで彼は週末を上手くスタートさせたが、またクラッシュした。残念なことに、我々を驚かせるようなスーパーラップは1度もなかった」

Daniel Ricciardo, Reserve driver Red Bull Racing

Daniel Ricciardo, Reserve driver Red Bull Racing

Photo by: Red Bull Content Pool

 またデ・フリーズの後任として古巣へ戻ることとなったリカルドについてマルコは、11日に行なわれたシルバーストンでのF1タイヤテストでレッドブル『RB19』を走らせた際に、苦しんだマクラーレン時代から本来のパフォーマンスに戻っていたことが起用の決定打になったと語っている。

あわせて読む:非情な人事は過去にも……F1シーズン途中のドライバー交代劇を振り返る

 アルファタウリは今季、マシン開発でライバルの後れを取り、コンストラクターズランキングでは最下位に沈んでおり、来季からはチームの名称が変更されることとなっている。リカルドの存在は、苦しむチームにフレッシュなエネルギーをもたらすだろうとマルコは説明する。

「リカルドのラップタイムは、3種類のタイヤセットで競争力があった」とマルコは言う。

「もしリカルドにスピードがなかったら、別の選択肢を検討する必要があっただろう」

「しかしアルファタウリは現在、良いポジションにいない。コンストラクターズランキングでは最下位……我々には変更が必要だった」

「ドライバー交代の後はよく起こることだが、リカルドはチームに新たなエネルギーをもたらしてくれる」

Additional reporting by Ronald Vording

 

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