ガスリーにレッドブル復帰の光差す。重鎮マルコ「来年昇格させなければ、彼を失うことになる」
レッドブルのヘルムート・マルコは、ピエール・ガスリーにレッドブル復帰のチャンスを与えられなかった場合、アルファタウリとの契約終了時点でガスリーが他チームへ移籍する可能性が高いと語った。
レッドブルでモータースポーツ・アドバイザーを務め、育成ドライバープログラムを率いるヘルムート・マルコは、現在アルファタウリで走るピエール・ガスリーを来季親チームに当たるレッドブルへ再昇格させることができなければ、ガスリーを失うことになると語った。
ガスリーは、下位カテゴリー時代からレッドブルのジュニアドライバーとして勝ち上がり、スーパーフォーミュラ参戦と平行して、2017年末に姉妹チームのトロロッソ(現アルファタウリ)からF1デビューを果たした。
フルシーズン参戦した2018年シーズンの活躍が認められ、ガスリーはダニエル・リカルド(現マクラーレン)が抜けた穴を埋めるべくレッドブルへの昇格が決まった。しかし、チームメイトとなったマックス・フェルスタッペンにパフォーマンスでは及ばず、シーズン12戦目にしてトロロッソへ降格させられた。
しかし降格後、ガスリーは輝く。シーズン終盤のブラジルGPで2位表彰台を獲得し、アルファタウリへと装いを変え臨んだ2020年シーズンではイタリアGPでF1初優勝を遂げた。2021年シーズンはアゼルバイジャンGPで3位表彰台に登り、過去の所属ドライバーの中で最高の合計ポイントを獲得している。
ガスリーのパフォーマンスは、元トロロッソの共同オーナーのゲルハルト・ベルガーも認めるところで、「もう一度チャンスを与えるのに値する実力が十分にある」と語っている。ガスリーは予選・決勝ともに高いパフォーマンスを発揮し続けていることから、この先レッドブルに復帰する可能性があるのではないかと噂されてきた。
motorsport.comの姉妹誌Formel1.deに対し、ガスリーの行く末を決めるマルコが彼の将来と2023年シーズン末までの契約について口を開いた。
マルコは、レッドブルが彼を昇格させなければグループとして彼を失いかねないと認めた一方で、決定を下すためには現在フェルスタッペンとタッグを組むセルジオ・ペレスとのパフォーマンスを比較する必要があると語った。
「ゲルハルトは正しいが、現時点ではまだチェコ(ペレスの愛称)との契約が残っている」とマルコは言う。
「ふたりのドライバーのパフォーマンスを比較する必要があるし、チェコとはまだ半年分残っている」
「我々はガスリーとも2023年まで契約を結んでいる。もしこの契約が切れて、彼に昇格のチャンスを与えられなければ、彼を失う可能性が高い。それは我々も望んでいない」
Pierre Gasly, AlphaTauri AT03
Photo by: AlphaTauri
そのガスリーもレッドブルへの復帰を希望しており、2月にはシートを取り戻すための最後のチャンスになると語っていた。
「今は、自分のベストを尽くすことだけに集中している。けど当然、速いマシンに乗って優勝を争いたいし、それだけが重要だ」とガスリーは語る。
「僕はF1で勝ちたいし、そのためには勝てるマシンを手に入れなきゃいけない。ヘルムートとは適切なタイミングで話し合いを行なう予定だ」
ペレスとレッドブルの契約は2022年末まで。しかし、ペレスはサウジアラビアGPでポールポジションを獲得するなど、力強いシーズンスタートを切っている。
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