黒白旗が“イエローカード”の代わりに? F1レースディレクターが示唆
F1レースディレクターのマイケル・マシは、レース中に出される黒白旗がサッカーで用いられる“イエローカード”のような働きをするべきだと語った。
Pierre Gasly, Toro Rosso STR14, leads Lance Stroll, Racing Point RP19 and Daniil Kvyat, Toro Rosso STR14
Glenn Dunbar / Motorsport Images
F1第13戦ベルギーGPでは、ブレーキング時に進路を変更したトロロッソのピエール・ガスリーに対し、黒白旗が掲示された。これはF1では長らく使用されて来なかった旗であり、最後に使用されたのは2010年のマレーシアGPにまでさかのぼる。
黒白旗は、レース中にスポーツマンシップに反する行為をしたドライバーに対して掲示されるもので、ドライバーに対する“警告”を意味する。なお、このフラッグを出されたことで何らかのペナルティを受けることはない。
しかしながらF1においてこのフラッグを使用する頻度は低く、チャーリー・ホワイティングがレースディレクターを務めていた時代は、彼がチームに対して無線で直接警告を伝えていた。
開幕戦オーストラリアGPの期間中にホワイティングが急逝したことにより、今季からマイケル・マシがレースディレクターの役割を引き継いでいるが、彼は黒白旗がドライバーへの警告を可視化させる有効なツールになると感じている。
黒白旗は各チームとの議論の末、ベルギーGPから再び使用されることとなった。今回対象となったのは、ガスリーのようにブレーキング中に進路を変更した場合と、オー・ルージュの先にあるラディオン(ターン4)でレース中に3回ワイドに膨らんだ場合だ。ただ、今回ターン4で3回コース外を走行したドライバーはいなかった。
マシは黒白旗について、motorsport.comに次のように語った。
「黒白旗はスポーツマンシップに関する旗で、2010年以降使われていなかったものだ。しかし、今後はそれを継続して使うという方向で話が進められている」
「その理由のひとつは、黒白旗をなぜ使用しなくなったかについて、誰も明確な答えを見つけ出すことができなかったからだ」
「この旗はれっきとした規則の一部であり、多くのスポーティングディレクターとドライバーたちがこれを使うことを支持している。事実上、モータースポーツ版のイエローカードとして使われることになると思う」
マシはまた、黒白旗に相当する違反を複数回犯したドライバーにはペナルティが科せられる可能性があると語った。
「金曜日のドライバーズミーティングで強調したのは、この旗がイエローカードだということだ。今週末のケースを例に挙げると、ターン4のトラックリミット超過や、他車とのインシデントに対して出される黒白旗が2回掲示された場合、スチュワードはそれを違反とみなす」
スパのターン4は、オー・ルージュからラディオンにかけての急坂を登った先にあり、高速でランオフエリアを通過すればその先のケメルストレートでアドバンテージとなる可能性があった。マシは今後も引き続き、トラックリミット超過やレーシングインシデントなどで黒白旗を使っていくと語った。
「ターン4でのトラックリミット超過に関してはレースディレクターが記録するだけでなく、そもそもそこに近づかせないようにする必要があるとも感じている。ただこの旗は、ドライバーの幅寄せやブレーキング時の進路変更など、あらゆることに対して効果的に使うことができる。モータースポーツ版のイエローカードとしてだ」
レッドブルのアレクサンダー・アルボンも黒白旗の導入には反対ではないようで、次のように語った。
「それほど気にしていないよ。(いきなり)ペナルティを与えるよりも、そうした方がずっと良いと思う」
「カナダでのベッテルとハミルトンの一件も、あれが最初の警告(黒白旗)で済んでいたなら、もっと簡単に解決しただろう」
「良いアイデアだと思う。僕がそのルールをカート時代に経験した。それはうまく機能していたから、F1でうまくいかない理由が見当たらないよ」
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