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F1タイトル“奪還”目指すマッサの法廷闘争、初回審問実施目指すも開始前に決着も?

フェリペ・マッサは、“クラッシュゲート隠蔽事件”によって2008年のF1ドライバーズタイトルを逃したとして訴訟を起こしたが、今後の審問が実施されるかどうかは微妙なところだ。

Felipe Massa

Felipe Massa

写真:: Alexander Trienitz / Motorsport Images

 元F1ドライバーのフェリペ・マッサはF1を運営するフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)やFIA、そして元F1総合支配人のバーニー・エクレストンを相手取り、法廷闘争を10月から開始することを望んでいる。しかし、裁判開始まで至らない可能性もある。

 2008年に当時マクラーレンのルイス・ハミルトン(現在はフェラーリ)とのチャンピオン争いに敗れたマッサは、同年のシンガポールGPで発生した“クラッシュゲート事件”が当初隠蔽されていた結果、タイトルを逃したとして訴訟を起こしている。

 契約違反の申し立てと記載されたマッサの訴訟は高等裁判所のキングス・ベンチ部門で審理が行なわれる予定だが、motorsport.comの調べでは、裁判が始まる前に訴えが破棄される可能性もあるようだ。

 というのも被告側であるFOM、FIA、エクレストンはマッサの訴えに内容がないと主張する可能性が高く、2008年のタイトル争いの顛末や、シンガポールでの騒動は別の形で処理されるべきだったかどうかが考慮される。

 その結果次第では、マッサの裁判は1回目の審問が行なわれる前に終了する可能性があるのだ。

 当時フェラーリに所属していたマッサは最終的に1ポイント差でタイトルを逃した。シンガポールGPの予選ではポールポジションを獲得し、ルノー首脳陣がフェルナンド・アロンソを勝たせるためネルソン・ピケJr.にわざとクラッシュさせる前はレースをリードしていた。

 マッサはピケJr.のクラッシュに反応しセーフティカー出動中に急いでピットイン。ただ、この際に給油リグが外れる前に発進し、ホースを引きずったままピットレーンを走行。マッサは停車してピットクルーが駆けつけるのを待つことになり大きくタイムロス、レースでは13位に終わった。

Nelson Piquet Jr., Renault R28 crashes into the wall

Nelson Piquet Jr., Renault R28 crashes into the wall

Photo by: Sutton Images

 クラッシュゲート事件と呼ばれるこの一件は、ルノーに執行猶予付きの参戦資格剥奪、チーム首脳陣のフラビオ・ブリアトーレとパット・シモンズにも厳しい処分が下されるという形で幕を閉じたようにも思われたが、2023年になってエクレストンがインタビューで、2008年シーズン終了前の時点で、当時のFIA会長マックス・モズレーと共にピケJr.のクラッシュにまつわる騒動を知っていたと明かした。

 エクレストンは2023年4月にF1-Insiderに対して次のように語っていた。

「レギュレーション上、あの状況ではシンガポールでのレースを無効にすべきだった」

「それは(シンガポールGPの結果が)選手権に反映されないことを意味する。そうすると、ルイス・ハミルトンではなくフェリペ・マッサが世界チャンピオンになっていたはずだ。今の私なら、もっと違うやり方をしていただろう」

 さらにエクレストンは、自身とモズレー元会長はF1の「イメージを傷つけない」ため行動を起こさなかったと語ったが、後に事の発端となったこのインタビューについて記憶がないと主張。ただ、マッサが訴訟を起こした理由は理解しているとのことだ。

 しかしマッサはこれらのコメントに基づき、FOM、FIA、そしてエクレストンを訴訟。マッサの弁護側はドライバーがシンガポールGPでのピケJr.の一件ではなく、その後の問題隠蔽という陰謀の犠牲になったと主張している。

Felipe Massa in the paddock

Felipe Massa in the paddock

Photo by: Simon Galloway / Motorsport Images

 マッサはシンガポールGPの結果を覆すことを目指しており、エクレストンの暴露から1年半以上が経過した今、初審が10月28日から31日にかけて行なわれることが決まった。

「正義のため、僕に辛い経験をさせたスポーツの一部ではない何かのため、正しいことが起こるのを願っている」

 昨年10月、マッサはそう語っていた。

「僕らが戦っているのはそのためだ。特に16年も経って、本当にそうだったとは思ってもみなかったことを耳にして、これが正しいことだと信じている」

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