新世代F1マシンは「ステロイド入りのフォーミュラEみたい」とフェルスタッペンお気に召さず。引退への影響は?
4度のF1王者であるマックス・フェルスタッペンは、2026年導入の新世代F1マシンについて「運転して楽しくない」、「ステロイド投与したフォーミュラE」と酷評している。
Max Verstappen, Red Bull Racing
写真:: Marcel van Dorst / EYE4images / NurPhoto via Getty Images
F1は現在2026年のプレシーズンテストが進行中だ。ドライバー達は新世代のF1マシンを走らせて経験を少しずつ積んでいるが、そのマシンに対してマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はかなり厳しいコメントを残している。
バーレーンテストの初日に136周を走行したフェルスタッペン。レッドブルの新車はそのペースやエネルギーマネジメントでパドック内に強い印象を与えていたが、フェルスタッペンは電動パワーの割合が増した新世代F1マシンのドライビング感覚にかなり辛辣なのだ。
「正直に言って、運転していてあまり楽しくない」と、彼は語った。
「適切な言葉は“マネジメント”だろう。あまりF1らしくない。少し、ステロイドを打ったフォーミュラEのように感じる。ただしルールは全員同じだし、それに対処していくしかない」
「純粋なドライバーとしては、全開で走るのが好きだ。でも現時点ではそういった風には走れない。やることが本当に多いんだ。ドライバーとしてすべきことの多くが、エネルギー面で非常に大きな影響を持っている。そして、僕にとってそれはF1じゃない。これならフォーミュラEを走ったほうが良いんじゃないだろうか? あっちはエネルギーと効率性、マネジメントが全てだからね」
「エネルギー不足だ。僕はただ普通にドライビングしたいだけなんだ。『うーん、(充電のために)もう少し長くブレーキを踏むべきか、短くすべきか、ギアを一段上げるか下げるか』なんてことを常に考えずにいられるドライビングがね。でも、そういったことがストレートでのパフォーマンスに大きく影響を及ぼしているんだ。それに加えて、現時点でのタイヤとマシンの構成ではグリップがかなり低い。大きく後退してしまっている」
フェルスタッペンはさらにこう付け加えた。
「マシンのプロポーション自体は良い。正直言ってそう思う。でも問題はそこじゃないんだ。その他のあらゆる部分が、僕にとってはやや“アンチレース”的なんだ」
Max Verstappen, Red Bull Racing
Photo by: Sam Bagnall / Sutton Images via Getty Images
「今こういった発言をすれば、喜ばない人もいるだろう。だけど僕は率直な人間だし、自分の使うレースマシンについてどう思うかを言ってはいけないなんてことは無い。僕がレギュレーションを書いたわけではないんだ。もし政治的でない観点からレギュレーションを作るのであれば、いずれにせよマシンはおそらくまったく異なる姿になっていただろうね」
とはいえフェルスタッペンも、レッドブルの自社製パワーユニットの製造に注いできた努力には敬意を払っていると話し、前述のような率直な見解を語ることには心苦しさもあると認めている。
「そうはいっても、舞台裏でどれだけの仕事が行われてきたかも僕は知っている。エンジン側の人々も含めてだ」
「だから、こういうことを言うのはいつも気持ちの良いものではない。しかしドライバーとしての感覚については現実的でありたい」
「チームにとって何が懸かっているかも分かっている。自分たちのエンジンだし、皆の高揚感も分かっている。もちろん、マシンに乗れば常に全力を尽くす。それは彼らも分かっている。ただ、ドライビング自体への興奮度はそれほど高くないということなんだ」
フェルスタッペンはここ数年、2026年の新レギュレーションの構想過程でも懸念を表明しており、2028年に終わるレッドブルとの現行契約、あるいはそれ以前にF1を離れるかどうかの判断には、自身がどれだけ楽しめるかが大きく影響すると示唆してきた。
そしてこれまでのテストでの経験は、彼を30代以降もF1に引き留めるという意味で、F1側にとって好材料とは言えなさそうだ。
「僕にとっては、勝てるマシンであることだけでは不十分だ。それが運転して楽しいものである必要もある」と、フェルスタッペンは強調した。
「キャリアのこの段階では、楽しみを見つけるためにF1以外のことも模索している。このレギュレーションがしばらく続くことは分かっている。だから、様子を見るしかない」
なおフェルスタッペンは今年、ニュルブルクリンク24時間レースへの参戦も噂されている。実際、F1と重複していた日程は調整されるなど、実現に向けた動きもある。
ニュルブルクリンク24時間レースへの参戦について訊かれたフェルスタッペンは、冗談まじりながらも、こう答えた。
「今の状況を見ると、少なくともあちらではバッテリーを気にせず全開で走れるだろうからね……」
「出たいと思っている。実現に向けて取り組んでいるが、まだ確約はできない」
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